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Showing posts from July, 2017

詩仙堂

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徳川家康の家臣であった石川丈山は、少年の頃から軍功を挙げるため武芸を磨いていた。その甲斐あって家康の側に仕えることができたのだが、肝心の関ヶ原の戦いでは、その血気盛んな性格が災いして判断を誤った。
武功を焦るあまり、軍規をやぶる早駆けをしてしまったのだ。それを家康から叱責された丈山は、山奥の詩仙堂に身を隠した。その後は一生隠居として暮らしたというから、サラリーマンでいえば部長昇進間近に早期依願退職したようなものだ。
90歳まで長寿を全うし詩歌三昧の生活を送っていた。ここ京都郊外に過ごした後半生は静かで幸福な毎日だったことだろう。もしも逆に、そのまま武士の生活を続けていたら、なにかの拍子に早死にしてしまったかもしれない。
早期退職して趣味三昧の生活も悪くない。これからは、定年延長と生涯現役の時代といわれるが、なかなか判断が難しいところだ。


コーヒーを焙煎する

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群馬県桐生市の「HORIZON LABO」はコーヒー豆販売店だ。
なんと15歳の少年が経営しているという。(☆1)

15歳の店長、岩野響さんは月に一度仕入れたコーヒー豆を、長時間かけて丁寧に焙煎(ロースト)する。味や香りの感覚が優れていて、高い集中力を持つ響さんが生み出すコーヒーの味は素晴らしい。いまや遠くからもお客さんが集まる人気店に。

響さんにはアスペルガーという障がいがある。黒板の字をノートに書き写したり、お習字をするといった普通のことができない。小学校ではとても苦労をされて、中学ではついに不登校になってしまったという。

ご両親との旅行の途中でコーヒー焙煎を知り、独自に研究を進めるうちに、この仕事に出会った。「ラボ」という名前がついているのは、「コーヒーのお店」というよりは、「コーヒーの研究所」だから。テレビ朝日の番組で見たのだが、コーヒー豆の焙煎に集中する響さんの姿は本当に輝いていた。

人間は誰でも「自分だけの生き方」に出会える。
コーヒーに向かう響さんの姿は、それを改めて教えてくれた。



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☆1:HORIZON LABO 
https://www.horizon-labo.com





パラソルの下

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パラソルを見ると心がなごむ。
パラソルは誰も拒まない。地元の人だろうが、観光客だろうが関係ない。水着でも正装でも構わない。堅物でもおふざけでも、誰でもどうぞ。多様性を受け入れる自然界そのままに寛容だ。
それと比べて、近年の企業の採用は大丈夫だろうか。このところ、ある種のタイプばかりが選別されているような気がしてならない。コミュ力があってプレゼンが上手い若者。はきはきしていて社会適応力のありそうな学生。そういうタイプから順に採用が決まっていく。
のんびりした優しい子、ぼんやりと夢を見ているような芸術系。黙って一人で猫と遊ぶのが好きな自然人。そういうタイプはみな就職で苦労している。
集団行動の世界で、社会的適正のあるタイプが選ばれるのは当然だけど、このままでは、世の中は小才な人間ばかりになってしまう。スーツ姿でパワポのプレゼンが上手い人間ばかり。そんな会社を想像すると本当に恐ろしい。
多様性を失った会社は、つまらないだけでなく脆弱なのだ。同じような人間による単一の価値観しか持たない集団は、予期せぬ変化に耐えられない。危機に面した際に多様な選択肢を持ち得ないからだ。
太陽の下で、多様な人間が混じり合うパラソル。
その寛容な姿は、自然界の中で安定して見える。




パラソルの誘惑

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梅雨の季節だけど、蒸し暑い日がつづいている。こういう時にパラソルを見ると、見ただけでも涼しげな気分になる。大木の木陰にはいって涼風を顔に感じた気分を思い出し、うっとりする。パラソルの誘惑。
都心でもお洒落なエリアでは、戸外にオープンなデッキのあるレストランが増えた。日本もちょっとヨーロッパ風というか、南国風になってきたのだろうか。そういう店で、パラソルをみかけると、僕はすぐに入りたくなってしまう。
厚生労働省の発表によると、過労やストレスが原因で労災認定された人が、昨年は過去最多になったという。職場での人間関係が主な原因になっているらしい。

パラソル、それは涼しげな場所。心を解放してくれる小さなリゾート。誰かに守られて癒されてる気分になる。オフィスの中でもパラソルを広げられたらいいのにね。職場のみんなの気持ちもゆったりと落ち着くかもしれません。