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1月 21, 2018の投稿を表示しています

ジンジャーとレモンマートル

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生姜(ジンジャー)といえば、日本ではカツオ刺身、冷奴やソーメンの薬味として使われますね。中国では健胃の生薬として古代から使われてきたそうですし、欧米では乾燥させたドライジンジャーとして焼き菓子などに入れる。生姜の活用法は国によってさまざまです。
昨年の学会で訪れたバンコクでも、生姜はあらゆる料理に使われていました。ココナッツのスープでも、底の方から強烈パンチを繰り出してくるのが生姜のスライス片。パクチーやレモングラスなどの陰に隠れているようで「スープの底の実力者」と言った風格がありました。
この年末年始に飲み続けていたためか、「ジンジャー・アンド・レモンマートル」というハーブティーがお気に入りになりました。レモンマートルとは、オーストラリアでアボリジニが料理や薬草に使ってきた植物で、レモングラスを超える強い清涼感があります。それがジンジャーの刺激と混じることで、とてもリフレッシュする香りのお茶に仕上がっています。
ジンジャーとレモンマートル。 いい組み合わせです。
人間で言えば、ビートルズのジョンとポールのようなものでしょうか。ジョンのように天才肌で強烈なジンジャー人間と、ポールのような甘い清涼感のレモン人間が一体となった奇跡。さらにはルイボスのようなジョージと、ハニーブッシュのようなリンゴが加わり助け合ったから、ビートルズは世界最高のハーモニーグループとなったのかと思います。
もしも、世の中がジンジャー人間ばかりだったとしたら、ちょっと疲れる。逆に爽やかなレモン人間ばかりというのもつまらない。いろいろなタイプの人間が組み合わされることで変化が生まれるのが面白い。ハーブティーの香りと一緒です。



待たされる時間

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今年の大学の授業で、黒澤明監督の「赤ひげ」を取り上げました。準備のために原作の「赤ひげ診療譚」を読み直したところ、そのあまりの面白さに驚き山本周五郎ファンとなりました。「樅の木は残った」や「山彦乙女」など、順不同に読み漁っています。
読んでいて、あることに気づきました。 山本作品の主人公たちは、とにかく良く「待たされる」のです。
職場の上役や敵に談判に行く。しかし面会がかなうまでには2〜3時間は待たされる。友人との食事ではその前に風呂を沸かして汗を流す。そして酒の燗が着くまでを待たされる。仇討ちの前にはじっくりと身支度をする。そんな時でもまずは昼寝までする。
何をするにしても下準備があり待ち時間があり、その間に本人の心が落ち着き、想いが形になり、そして決心が固まる。昔の人には心を熟成させる時間があったのですね。
短編集「日々平安」の中に「橋の下」という物語があります。早朝の決闘に出かける主人公は、緊張のあまり2時間も早く出かけてしまう。しかしその「待ち時間」おかげで、自分過ちに気づき難を逃れることができた。
植物たちも「待ち時間」を気にしない。忙しい生活でこちらがバタバタしている間にも、地味にしっかりと成長している。我が家の庭先の「カネノナルキ(ほんとうは花月というらしい )」 も、数週間の「待ち時間」の間に大きくなりました。