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6月 24, 2018の投稿を表示しています

360度のファンタジー

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カトビツェという街は、かつてはポーランド随一の工業都市だった。当時の面影を残すレンガづくりの重厚な建物が、炭鉱の街だった当時の雰囲気を伝えている。今は、博物館や公共施設などとして再利用されている。夕闇に浮かぶ城塞のような建物が、何かを語りかけてくるようだ。
異国の地を訪れて初めて見た景色は、あとになって360度VR動画のように記憶に蘇ってくることがある。こういう時にジャーナリストならば、こうした記憶を鮮明な言葉にして書き残すことができるのだろう。

ラフカディオ・ハーン(小泉八雲 1850 - 1904)は、ギリシャ生まれのイギリス人。ジャーナリストとして世界を巡る。明治23年に来日。英語教師として日本に暮らしながら、当時の日本文化を捉えた素晴らしい本の数々を残した。当時の日本人の生活の素晴らしさ、風景の美しさだけでなく、不思議な伝承や怪異の物語も収集し紹介した。
アクセル・ハッケも1956年生まれのジャーナリストである。新聞社でのスポーツ記事編集、ルポライターを経験したのちに物語作家となった。彼の絵本作品は独特の世界観とユーモアがあって日本でも人気だ。いつもコンビを組むミヒャエル ゾーヴァの挿画が幻想的で素晴らしい。
幻想的なファンタジーを書く二人が、ともに通信社に勤めるジャーナリストであったとは面白い。ジャーナリストには鋭い観察力と映像のように鮮明な文章表現力がある。彼らの言葉には、360度VR動画のような没入感と現場レポのような迫真性がある。それはおそらく、彼らが現実世界をまさにそのように享受しているからなのだろう。



選択できるものならば

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ポーランドの西南にあるカトビツェという街を訪れた。炭田があり鉱物資源が豊かなため、かつて重工業の中心地だった。東京工科大学との提携校である、シレジア大学で開かれたアートとゲームのフェスティバル [ LAG ]に参加させていただいた。
今はEUの一員となったポーランド。カトビツェには、真新しいコンサートホール(日本人も設計に参加)も生まれ、シレジア大学にも、放送映画学科のキャンパスが開校準備中と、新しい時代に生まれ変わろうとするエネルギーを、街のいたるところに感じた。

民主化運動の後に、資本主義経済への舵を切ることで、急激な変化を体験しているポーランド。全体的には経済も立ち直り人々の生活もどんどん豊かになっていると聞く。しかし一方で、社会主義時代にはあり得なかった若者の失業問題も生まれた。個人収入の格差も広がる。

多少は過去を懐かしむ声も出ているという。歴史を逆戻りするようなことはないにしても、いま選択できるものならば、どちらに行こうか? という重要なポイントまできているのかもしれない。

シレジア大学教員で友人のパウエルは大の親日家で、彼から見ると日本は理想的な国なのだそうだ。治安もよく人々は礼儀正しい。国境で接する隣国との紛争がない。(そもそも陸地に国境ないもんね)経済も豊かで給与水準も高い。教育レベルも高く人々は希望に溢れている。

褒められると嬉しいけれど
どれだけ当たってますかね?

日本だって、これから未来を選択する重要課題ばかりなんですけどね。親日家のポーランドの友人に説明するのは難しいし、ネガティブな面ばかりを話すのも申し訳ないし。今度、彼が日本に来た時には、どんな話をしたらいいかな?