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素晴らしい世界へ

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この古い建物はポーランド南端のチェシンという街にありました。「聖ニコラス ロタンダ教会」といって、ポーランドの円形建築で最も古い教会です。20ズォチ紙幣(600円くらい)の裏面に印刷されています。12世紀くらいのものといいますので、ちょうどポーランド民族がキリスト教に改宗して、ヨーロッパ文化圏の仲間入りした頃のものです。

その頃、ポーランドという国は、強力な統治者の登場によって、一気に大国へと統一されていったそうです。それまで沢山の部族に分かれていた人々は、民族同士が混じり合ったり競い合ったりする時代に翻弄されたことでしょう。いまこうして、小高い丘に静かにたたずんでいる丸い建物は、黙ってその当時のことを思い浮かべているようです。
いま、私たちもいわゆるコロナ禍に巻き込まれて、大変な変動の波に揉まれています。この秋の大学も、いわゆる通常の授業への復帰とオンラインとの間で揺れ続けることでしょう。ポーランド民族が知らず知らず、大国が武力で覇権を争いあう時代に巻き込まれていったように、私たちもなにか未知の時代に押し流されているのでしょうか。

いまから1000年後。私の子孫は2020年を振り返って何を見つけるのでしょうか?

ヨーロッパのキリスト教徒は、この石造りの建物に彼らの痕跡を残しました。私たちが現代に築き上げた財産といえばどうでしょうか。YouTubeもzoomもNetFlixもブログもオンラインゲームもAI将棋も、えーと、そしてGAFAも?... すべてがデジタルデータです。 トーク履歴を引き継げなかったLINEみたいに消えていたらどうしましょう。 でもまあいいか1000年後のことは。ただ、できることならば、信じられないほど素晴らしい世界へ進化していてほしいものですね。


前にも来たことがある

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一昨年の秋にある学会で訪れた台南の商店街です。水彩と色鉛筆で描いてみました。こうして見ていると「ここに、もう一度行きたい」という気持ちが湧いてきます。そして、いつか必ず行ってしまうと思います。きままな旅が好きな私ですが、旅の歩き方に変な癖があります。二回以上訪れた街で、前に行ったことのある場所に行ってしまう。せっかくの二回目なんだから、新しい場所を開拓して、見聞を広めればいいものを、わざわざ行ったことのある場所に行く。なんなら、ホテルもわざわざ同じところに泊まったりします。京都もプライベートや仕事でずいぶん行きましたが、ひらがなのお稽古のように同じ場所をなぞることがあります。どこからスタートしても、結局は木屋町通りにたどり着き、一条から五条まで歩いてしまう。せっかくロンドンに行っても、もったいないことに同じところばかり行ってしまいます。「そこが以前と変わらずにいまもそこなのか」点検しているみたいです。ときどき「自分は何をやってるんだろう」と思います。「デジャヴ」という経験ありますよね。あの感覚が好きなのかもしれません。老境に近づいてきて想うのですが、もしかすると私は、人生でも同じことをしているのかもしれない。そこそこ長い時間生きてくると「人生のどこかで見た景色」に出会うことがちょくちょくあるのです。「これって前にやったよね 」という感覚です。そんなことをぼんやり考えていたある日、高水裕一先生の「時間は逆戻りするのか」という本を読みました。基本的には宇宙物理学の本なので、わからないところも多かったのですが、「ほんとその通りだよー!」と思う箇所もたくさんありました。特に気に入ったのはこの話です。最新の物理学の理論によると、私たちが生きているこの宇宙は、既にこれまで「49回」も繰り返されてきた可能性があるというのです。ほらね。やっぱり、また同じところに来てたんです。