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Showing posts from November, 2010

天才の休暇

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生涯休暇人? チャールズ・ダーウィン 前回、本ブログにて「遅咲きの花」について考えたみた。植物ですらひとつの花を咲かせるのに40年かけることがある。だったら人生で花を咲かせるのに、どんなに時間がかかってもいいじゃないか。と、楽観的な結論でまとめてみた。 翌朝になって再びPCに向かい、ふと足下を見ると一冊の本が目に入った。そのタイトルは「天才の時間」で、私が大好きな竹内薫さんの著書だ。身近な場所(机の下あたり)に放置されていたということは、私が結構気に入った(感動した)本だったという証拠。そうでなければ本棚のどこかに、押し込まれていた。「いつかまた読みたい」と思っていたからそこにあったのだ。 この本には「人生にとても時間をかけた人」たちの成功物語が、たくさん紹介されているんだった。なんだか「遅咲きの花」というテーマにぴったりな感じがする。久しぶりに手に取ってページを開いてみる。うんうん、そうそう。「時間がかかる」話が沢山載っているんだっけ、この本には。 そして、とびこんできたのが「生涯休暇人」の文字。 「 生・涯・休・暇・人 」つまり、人生ずっと休みだった人ってだれ? それは、チャールズ・ダーウィンさん。日曜の晩のNHK、大河ドラマ直前の科学番組枠のタイトル「ダーウィンがキタ~!」にも紹介されている人気者。この人「生涯休暇人」だったんだ。まあ、お金持ちだからできたことでもあるんだけど。とにかく、研究に時間をかけた。 ダーウィンは進化論をはじめて唱えた人。進化論とは「人間は神様が設計したものではないんだ」っていう理論ですね。ある環境が整った地球上に、原始的な植物が生まれる。そしてそれが、ミドリムシとなりオタマジャクシとなり、トカゲがネズミになって、それからサルとなり、チンパンジーが立ち上がって… ものすごく長い長い時間をかけて、変化して出来上がったんだよ、というのが「進化論」ですね。(いまの話はだいだいしか合ってませんよ) ダーウィンがこの理論をまとめて「種の起原」を出版したのは、1859年のこと。そのころのイギリスでは、当然キリスト協会の力も強くて、「人間は神様が作ったものじゃない」なんて、とても言える雰囲気じゃなかったんだ。神様に対して言いたい放題だった、ジョン・レノンも、ビートルズメンバーもまだ生まれていなかったしね。だから、

遅咲きの花

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花を咲かすまで40年 年をとってから出世した人のことを「遅咲きの花」という。50歳から画家となった、ルソーのような人のことを言うのかな。今や大人気作家の村上春樹さんだって「遅咲き」かな。「風の歌を聴け」が出るまでに、7年近くもジャズ喫茶の店長さんをやっていらした。その間に小説の構想が熟成したんだ。漢字の由来を解き明かした、白川静先生も、長年の下積みの研究を経て、えらく「遅咲き」だったと聞く。 ところで、実際にある「遅咲きの花」というのは、どんな花なんだろうか。普通は、仲間がみな散ってしまってから冬に咲くコスモスのようなものだろうと思っていた。ところがこの世には、文字通りに、ものすごい「遅咲きの花」もあると知って驚いた。この花は、30年〜40年もの年月をかけてたった一回だけの花を咲かせる。そしてその後は? なんと枯れてしまうんだって。 その花の名は、アガベ・ビクトリアエ・レギナエ。 リュウゼツランの一種だそうだ。この花、その見た目もなかなかの大物で、花茎は5メートルにも達するのだ。花というよりも、立派な庭木のようにも見える。9月3日のサンケイのEX記事で紹介されていたのだか、西インド諸島や南米に分布するこの花を、なぜか札幌市に住む大町彰さんという方が、育てあげた。大町さん自身は、60歳ということだから、この花とは、人生の半分以上の時間を過ごしてきたことになる。 今年の9月2日から咲きはじめて、中旬ごろに見ごろを迎えると、この記事には書いてある。おそらく、今ごろはもう、この「遅咲きの花」は、その花としての使命を果たし、枯れてしまったに違いない。 40年間もかけてひとつの花を咲かせるなんて、「遠大な目標を持ったひと」という人格をさえ感じる。大きな理想がなければ、40年もの間、じっとがまんの人生は送れませんよ。「いつか咲いてやる」「いつか咲いてやる」で40年。なかなか出来ることではない。 その点、人間というものは気が短いものだ。特に最近は、短気な話が多い。いかに失言や失策の多い民主党政権とはいえ、一国の政権が、ずいぶんあっさりと見限られるものだ。企業も売れない商品は撤退する。あたらない企画やブランドは取り下げる。長期間結果の出ない研究は仕分けされる。 このへんの「短気」なフィーリングは、着実に若者にも伝染している。就活もうまくいかなければすぐ