王様じゃなかったの
豊かな自然と資源に恵まれた王国・ザムンダに君臨するジョフィ・ジャファ国王。(☆1)この国のすべては、彼の意のままに決められている。ひとり息子であるアキームが二十歳になった日、国王はアキームの結婚相手を、隣国の王女とすることを勝手に決めてしまう。当然である。ザムンダ国の法律には「王子の妃は国王が選ぶ」と、ちゃんと書いてあるのだから。 コメディ映画「星の王子ニューヨークへ行く(☆2)」は、アフリカのロイヤルファミリーの話だ。ロイヤルファミリーと言っても、親子関係の問題は世間と同じ。普通の恋愛をしたい王子の気持ちは、伝統を重んじる王様の考えとは違う。王様の帝王学に従いたくない王子は、自由の国アメリカへと飛び立つ。 王子アキームと、いい加減な従者のセミが、ニューヨークのクイーンズを舞台に繰り広げる、お妃探しのドタバタは最高に可笑しい。放埓で自己中心的な人間ばかりの現代アメリカで、清純な王妃を探すアキームの奮闘は、大騒動を巻き起こす。ついに二人の暴走に気づいたジョフィ・ジャファ王は、ニューヨークまで乗り出して強権発動。アキームを無理やりに連れ帰ろうとする。