巨額の寄付金
ジョン・ベルーシとダン・エイクロイドのお馬鹿ギャグが炸裂する「ブルース・ブラザーズ」は、私の中でイチオシ映画の一つである。ストーリーは単純明解。自分たちが育てられた孤児院が、破産寸前の危機に直面している。それをなんとか助けようと、バンドを再結成してコンサートで収益をあげる。ドタバタの大騒ぎの末に、稼いだ5000ドルを寄附する。 「ブルース・ブラザーズ」の監督はジョン・ランディスだが、彼とならんで大好きなのはジェリー・ザッカー監督である。「ゴースト」は至高のラブストーリーだし、「ラットレース」は著名俳優大集合の豪華なコメディ映画である。二つとも私にとって、最高ランクの作品だ。どちらも人間の愚かさと素晴らしさの両面を表現つくしていると思う。 それに加えて、この二つの映画には、もうひとつ共通する重要なポイントがある。劇中で、慈善団体への巨額の寄附がなされるのだ。どちらの映画も、基本的には欲得づくの人間が、巨額の資金をめぐって右往左往する話なのであるが、最後にはそのお金はまるごと慈善事業に差し出されてしまう。お金を惜しがる俳優たちの表情に、ザッカー監督がほくそ笑んでいる顔が重なって見える。 何度も見返しても胸のすくような、これらの寄附シーン。 みなさんもご覧になってみませんか?