彼らが一番よくわかっている
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大学で映像の作り方を教える授業がある。授業といっても実習タイプなので、学生が各々自分の好きなテーマでショートフィルムなどを作る。 当然のことながら、手間をかける学生もいれば、手を抜く学生もいる。この辺は大人の世界と同じである。締め切りに間に合わなそうな学生は、あの手この手で時間短縮をはかる。ネットのアイデアパクリから、アプリのテンプレ流用、他人の作品へのただ乗りなど、いろいろとやる。 最終講評会で、その小細工を見抜けずに「おおー、このアイデア凄いなー」とか、「えらく手が込んでるね」などと褒めてしまったら、教師として恥ずかしいことになる。それに、たとえそれに気づいたとしても、ほかの学生の前で、それをズバリ突くのも可哀想かとも思う。 こういう時には、実にいい方法がある。 学生による投票、つまりライバル同志による多数決である。 不思議なことにこれが実に良い評定結果を出す。しかもまず間違うことなく「時間と手間をじっくりかけた労作」が上位に選ばれるのである。 手間暇かけて愛情を注がれた作品の価値。 それを、彼ら自身が一番よく分かっていたのだ。