我思う、ゆえに我あり
「キッド」の撮影を終えたばかりのチャップリンを、サミュエル・リシュフスキイというロシア人の少年がたずねてきた。彼は、七歳で世界チェス選手権保持者という天才。 少年は、二十人の大人を相手にチェスの同時対戦をするというエキジビジョン・マッチを行うために、カリフォルニアに来ていたのだ。彼はカリフォルニア州選手権者のグリフィス博士を含めた大人全員を、いとも簡単にねじ伏せた。チャップリンは、その光景を「それはどこか超現実的な光景でさえあった」と述べている。少年そのものも、かなり変わった子だったらしい。(☆1)