幸せである確率

「ユーザー・イリュージョン」という分厚い本を読みました。すごく面白くて一気に読みました。2週間はかかりましたが、その間とても幸せでした。新しい発見が沢山あって、自分の中にすこし智慧が増していくようで。

今では大半の内容を忘れましたが、その中でよく分かった(ような気がした)のがエントロピーの正体について。 エントロピーというのは、簡単にいうと「乱雑さ」のこと。この世の中のすべてのものは「しだいに乱雑になっていく」運命にある。私の部屋もあなたのキッチンも、放っておけば、どんどん汚れて行きます。片付けないかぎり、しだいに乱雑さ(エントロピー)が増すのです。 なぜでしょうか。

 「ユーザー・イリュージョン」という本は、こう言ってます。自然界の中で、物事が「きっちりとした形で並ぶ」確率が低いのは、そういう「きっちりした」パターンになる状態が、その他の「きっちりしない」パターンより少ないからだというのです。私の部屋がきっちりと片付いているという状態よりも、片付いていない状態のほうが、バリエーションが多いのです。だから、しだいにごちゃごちゃになる。なるほどー。わかるわかる。きっちりする状態は珍しい現象だってこと。  


これが、エントロピーの正体です。整然とそろった状態よりも、乱雑な状態の「あり様」が沢山ある。 人間にとって見ると、そういう「スッキリと片付いた状態」は少ない。だから、いつも掃除をする必要があるのだ。あるべきものが、あるべき場所にある。そういう状態に戻すため、整理整頓しなければならない。めんどくさいけど、これが真実。 

 「きっちりした状態」=「幸せな状態」と、このように考えてみる。すると「幸せである状態」も、「幸せでない状態」よりも稀なのかもしれない。それ、まずくないですか?


  「お金持ちである」とか「健康である」とか。「誰かに愛されている」とか「注目をあつめている」など、幸せにはいろんな条件がある。 しかし、これらが全部そろう状態なんて、めったにないことだ。それが自然の摂理。エントロピーで考えてみるとそうでしょ。ずばり言います。幸せでない確立のほうが高い。だからって、いちいちそのまま受け取ってはいけないのでしょう。できればどんな状態も「幸せ」と感じることが大事なんだろうね。

路肩に咲いてるヒマワリも、いろいろあります。自動車の泥や埃をかぶってたり、葉っぱを虫に食われてたり。でも、風にゆられているだけで嬉しそう。

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