2009年8月30日日曜日

GDEX09 美大の出展

今年のグッドデザイン・エキスポでは「デザイン・コミュニケーション」という企画提案型の展示会場において、6つの美術系大学の展示が行われていた。参加大学・学科は以下のとおり。それぞのブースを巡って、今年の展示の特徴を見てみた。

大阪芸術大学・デザイン学科 / 京都精華大学 / 多摩美術大学 / 東北芸術工科大学 デザイン工学部・プロダクトデザイン学科 / 日本大学藝術学部 / 武蔵野美術大学



まず開場の左端にあったのは、多摩美術大学。アクリルを主体とした展示は、ややイメージ優先の印象があって、ちょっと内容がわかりにくいように感じた。しかし展示の奥のほうに設けられた「産学共同研究」のコーナーの充実ぶりは圧倒的。
各種テーマで、様々な企業との間での共同研究の成果があり、それらのひとつひとつが立派な印刷の報告書になって積まれていた。前回は閲覧のみの展示だったが、今年は無償での配布もあり、思わず沢山いただいてくることになった。入り口付近で、学生さんが手に提げているのは、パンフレットの入った手提げ袋。昨年同様、ホスピタリティもばっちりの多摩美ブースだった。


その隣は、関西からの出展、京都精華大学。京都精華といえば、マンガ学部が有名だ。しかし今回の展示では、どちらかというと京都ならではの「伝統的な手仕事」を全面に出していた。美術大学の募集競争の中で、芸術文化の街・京都という立地を強調する作戦のようだった。なぜか、唯一撮影禁止となっていたのが疑問だった。


喜多俊之先生がデザイン学科長を務める、大阪芸術大学ブース。並んだ作品は、往年のシド・ミード作品を思わせるような曲線の美しい、正当派プロダクトが多かった。未来的なような、なつかしいような印象である。伝統的なインダストリアル・デザイン手法を守っているように思える。大阪芸術大学には、映像系コースも新設になったはずだが、特に展示はなかったようだ。




こちらも、流線型の未来型デザインの展示が多かった。



昨年は展示が見られなかった、日藝デザイン。展示ブース外見も非常に力の入ったもので、その意気込みを感じさせた。日藝には映画学科などの、映像関連の学科もあり、CGアニメ映像の展示もあった。プロダクトデザインと映像表現の連動というものは特に無かったが、これからはネットや映像と、工業製品の結びつきをテーマとすべきではないかというアイデアを思い出した。



東北は山形から出品の東北芸術工科大学。展示ブースそのものは、シンプルでオープンなものだったが、展示されている作品は、レベルの高い者が多かった。金属を使ったモックアップなどの完成度も高い。エンジン技術を活用した、浄水装置など、デザイン的な発想による技術の応用に力を入れているのが分かる。表面的な「装飾」から、一歩踏み込んだ研究が行われていることを感じた。東北芸術工科大学にも映像コースが新設されている!


各ブースともに、展示空間の素晴らしさもさることながら、配布されている学校案内や、作品集などの印刷物の懲りようには驚いた。昨年も素晴らしかったのがだが、今年はさらにグレードアップしているように感じる。やはり、美術大学といえども、少子化の流れの中で、学生確保のために、学校も学生も一体となって取り組んでいるということだろうか?

昨年のグッドデザイン・エキスポでは、確か8つの美術大学の出展があったように記憶している。千葉大学デザイン学科や、金沢美術工芸大学京都工芸繊維大学なども、出展していたのではなかったか。やはり、毎年の出展は、経済的にも労力的にもきついのかもしれない。(参考資料:千葉大学「意匠展」)



2009年8月29日土曜日

グッドデザインEXPO 1

スティッカムの ライブストリーミング機能を使って、スタジオと展示会場を生中継でつないで、番組を制作しました。会場の無線LAN環境が、比較的快調なので、映像と音声のタイムラグも少なく、ほぼ生中継の状態で収録することが出来ました。



今年のグッドデザインにおける、intebro の映像配信の企画の中で、なかなかの新機軸番組になったと思います。次回は、さらにこれを進化させて、会場多元中継などにもチャレンジしてみたいものです。1台のカメラは、会場の外から(fonさんの無線が普及したりすれば)なんてことも、いずれは可能になるでしょう。

ズームイン・スティッカム収録風景

今年のグッドデザインにおける、インテブロの活動のキーワードは「編集しない!=Edit-less」と言うことかと思います。撮影後に、映像素材を取り込んだり、編集したりしている時間が無くなった分だけ、作業に余裕が出たのと、放送までのタイムラグが格段に減りました。また「編集」→「素材出し」→「収録」→「編集」→「配信」といった段取りが減った分、放送に「即応性」「即時性」がもたらされました。

このへんの効率性は、昨年も参加した三年生のみなさんしか分からないかもしれません。一年生のみなさんにも、こうした「新しい技術を導入すること」でシステムを見直すと、「放送するコンテンツ」までが変化するということを感じ取っていただければと思いますー。(≧▽≦)ゞ

ブログチーム
調整卓チーム
デザインステーションの様子
スティッカム中継チーム
Eye-Fi レポート

グッドデザインEXPO 2

東京ビッグサイトにて、昨日より「グッドデザイン・エキスポ2009」が開催となりました。今年も、東京工科大学のintebroは、公式ネット放送局「デザインステーション」を担当しています。下の写真は、エキスポに出展中の企業ブースのお客様を、スタジオに招いてのトーク番組「DDD(ドリーム・デザイン・ディスカッション」の収録風景。



当日収録された映像は、スティッカムを通じて、ライブストリーミング配信されるほか、その後はアーカイブ映像として、GDEX09サイトおよび、intebroサイトからオンデマンド配信されます。下の写真は、GDEX09サイトのアーカイブメニューになります。このように「撮影」→「ライブ配信」→「ブログで紹介 / Twitterでつぶやき」→「オンデマンド配信」→といった映像配信のサイクルで広がっていきます。


昨年のグッドデザインでも活動に比べて、格段に映像配信作業の効率が上がりました。それは、会場に無線LAN(今年はfonさんによるフリー無線)が配備されたこともありますが、Youtubeだけでなく、様々な映像配信サービスの選択肢が広がり、スティッカムさんの協力を得られたことが大きいと思います。

大きな放送局のような映像伝送のインフラが無くとも、公共映像サービスを市民レベルでおこなう可能性が、広まっています。こうなると、学生放送局intebroも、配信インフラで売る放送局ではなく、放送コンテンツの内容で勝負する方向への転換が必要かな。


Eye-Fiレポート撮影風景ビデオ


GDEX09 セッテイング


有明の東京ビッグサイトにおいて、今年もGDEX09 こと、グッドデザイン・エキスポが開催になります。今日はその搬入日。 昨年に引き続き東京工科大学intebroは、会場でのオフィシャル放送局「デザインステーション」を担当し、会期中はライブストリーミングを行います。本日は、元気なメンバーが揃って機材の搬入とセッテイングを行いました。

[写真] デザインステーション・調整卓のセッテイング中

今年は、ビッグサイト会場(東5〜6)に、fonさんのご協力で全域にフリー無線LANが導入されました。これを最大限にいかして、ふたつのチャレンジ企画を行いたいと考えています。さて、うまくいくでしょうか?

1: Eye-Fiレポート
Eye-Fiカードをいれた、小型ビデオカメラ(サンヨー製:Xacti-CA9)を5台配備して、会場内を撮影(静止画・動画とりまぜて)します。その映像は、即座に会場内のWiFiを通じて、Eye-Fiサーバーから、デザインステーションのiMacに転送されます。デザインステーションでは、この映像データを即時に再生して、番組を制作します。

2:ズームイン・スティッカム
スティッカムさんの全面協力のもと、会期中は特別に、太い映像回線をご用意いただきました。これを活用して、会場内での「映像生中継」に挑戦します。intebro初体験の、無線Live中継となります。本日実験したところ、映像転送のスピードも速く、ほぼリアルタイムでの中継が可能となりそうです。
下の映像は、昨日の実験の様子です。この企画は、非常に楽しみです。



それでは、本番(8月29日〜8月30日)のデザインステーションを、是非お楽しみに!
エキスポ会場にもいらしてください。



2009年8月28日金曜日

ネット授業実験

多数の遠隔地同士をむすんでの「音楽授業」を実現するための通信実験を行った。東京工科大学にも音楽の授業(作曲,DAWによる打ち込み)があるが、教室内で30人近くの学生の作品を聴いたり評価したりというのは意外にさばきが難しい。また、通常の音楽スクールにおいても、教室だけでの授業には、一度に教えられる学生数にも限界がある。

ネット回線を使って、遠隔地にいる学生と間で授業が出来れば、学生と先生のやりとりを、もっと柔軟で簡単なものにすることができるだろう。学生にとっても、自分の時間を有効に活用しながら、ポイントを絞った授業を受けられるようになるだろう。学生も先生も、それぞれ自分の空いた時間を活用しながら、効率的に授業に参加できるようになる。

こうしたニーズに応えるために、現在のネットインフラを使ってどれだけのことが可能なのか?「ネットによる遠隔地授業」の可能性をさぐるため、関連技術を持ったプロフェッショナルに集まっていただき、実証実験を行った。


ビデオカメラ(SONY / HDV-FX-7)を繋いでのセッティング

本日の参加者と実験シナリオ

株式会社アストラから川村社長はじめ、技術部門のみなさん / 山中さん / 株式会社コンテンツキッズ から竹下さん / 東京工科大学→:吉岡先生、コーちゃん、マッキー、モックン、タイガー、カワイ君(みなさん長時間、ご協力ありがとうございました)

今回の実証実験では、作詞作曲をテーマにした仮想授業をベースとして、以下のようなシナリオで進めた。

[ A 基本授業と、作詞を想定したシナリオ ]

1:授業開始。先生と生徒のカメラ/音声コミュニケーションを確認。
2:生徒から、パワポデータ(作詞宿題)を提出。
3:先生が、その中からデータを選び、生徒全員に解説、添削。
4:生徒も、自分のパワポデータを修正して、再提出。
5:先生と生徒で、マンツーマンの授業、添削。
6:次回への宿題の説明、授業の終了挨拶。

[ B 作曲を想定したシナリオ ]

1:授業開始。先生と生徒のカメラ/音声コミュニケーションを確認。
2:「Soba」システムから「音ライン」WEBサイトを動かしてみる。
3:生徒がそれぞれ、作曲宿題を「音ライン」にアップロード提出。
4:先生が、その中からデータを選び、生徒全員に解説、演奏実演。
5:その音源を、生徒全員に聴かせる、あるいはひとりだけに聴かせる。
6:生徒も、音源データを修正、再提出。
7:先生と生徒で、マンツーマンの授業、添削。
8:次回への宿題の説明、授業の終了挨拶


「SOBA」と「音ライン」を同時に立ち上げた画面

各システムの特徴

株式会社アストラ「音(おん)ライン」システムの特徴:
いわば音楽仲間のためのSNSサイトシステムといったものである。Mixiの音楽版とも言える。クローズなグループ構成メンバーが、お互いに楽曲データを部品としてやりとりする中で、みんなで協力して音楽を作っていく。そんなイメージだ。音楽の授業用に開発された専用ソフトではない。しかし、楽曲データをトラックごとに分解して録音・修正したり、メロディーラインに歌詞を加えるなどの機能は、音楽授業への応用可能ではないかと考えた。

株式会社コンテンツキッズ+Sobaによるテレビ会議システム
テレビ会議システムとして考えれば、iChatやSkypeの高セキュリティーであるとも言える。しかし、映像転送のスピードをオプティマイズする技術に加えて、テレビ会議参加者のそれぞれのデスクトップを、全員でリアルタイムに共有する機能などは非常にユニークだ。たとえば、参加者AのPCにある、パワポデータをみんなで同時に開き、順々に書き込み修正を行うこと、全員で同じWEBページを見る、などの芸当が可能である。この機能はデモを見ていても、何がどうなっているのか不思議なくらいだ。



実証実験の結果

全体の印象:回線スピードやシステムのレスポンスなど、課題はあるものの、今後の調整やシステム改変などによっては、実戦の授業でも役立ちそうな機能があることが分かった。また、現時点では「Soba」の会議システムのデスクトップには、「音ライン」のサイトは呼び出せないという致命的なボトルネックがあることも判明した。「Soba」のシステムでは、パスワードなどの「セキュリティーのかかったサイト」はアクセスできないということ。

1)回線のスピードとカメラ映像(Soba):本日は東京工科大学・研究棟CにあるLANに無線ルーター(AirMac Extream)を接続した環境で行った。5台のPCのうち一台は、有線で使用した。正直なところ、先生と各生徒の間で、同時テレビ会議状態までセットアップするのは、かなり手間がかかるものだった。まだプロトタイプだからとは思うが、ログイン画面を探して、特定のセッションにログインし、全員のカメラ映像を動かすまでには、1時間半ほど時間がかかった。しかも結局、全員のPCにすべての映像(この日はカメラ台数の関係で、3カメのみ)が見られる状況にはならなかった。
(カメラ映像再生スピードについて、WEBカメラではなく、ビデオカメラをFireWireインターフェースを通して接続できるが、この場合はCPUに余計な負担がかかるということも判明した。)

2)デスクトップやアプリの共有(Soba):生徒側のローカルPCにあるパワポデータを、先生側のPCで修正したり、お絵かきソフトに全員で描き込みするといった機能は、素晴らしいものだ。しかし、これはやはり「テレビ会議」という、いわばビジネスシーンでの「打ち合わせ」を想定したものであり、音楽授業への応用には限界を感じる。アクセススピードも「さくさく感」には遠い気がする。また前述のように、せっかくのデスクトップ共有で、アストラの「音ライン」が共有できなかったのは痛かった。
(WEBカメラなどを接続した場合には、データの送付や共有の作業が出来なくなる〔CPUの限界〕ことがあるということも判明した。)

3)SNSサイトでの楽曲共有(音ライン):本日の実験では、いくつかのトラックにわかれた音源データをやりとりする中で、実証を進めた。まず事前に生徒が提出したという想定の音源データをダウンロードしてみる。(mp3クオリティ)この「宿題」は、SNSサイトの特定サーバーに投稿しておいたもので、部外者からはアクセスできないようになっている。この音源データの「ボーカル」だけを消音したり、またそれを「録音し直し」したりする。また「メロディーライン」を聴きながら、それに「歌詞」をあてていくことなども出来た。音楽アーティストによる実際の作詞作曲のプロセスは「作曲→作詞」の順番で進むことが多いという前提で、このシナリオを考えてみた。

今後の課題:まず、先生と生徒とのコミュニケーションをもっとスムーズにすること。音楽教育の現場のニーズをもっと特定して、実践的なカリキュラムへの応用を研究すること。せっかくの「Soba」による「デスクトップ共有/アプリ共有」という機能を、幅広く活用できるよう工夫すること。「音ライン」の作曲工程では、実演による録音だけでなく、Midiデータの打ち込みによる作曲も可能になればありがたい。その他、アイデアしだいでは、未来の音楽教室を先取り実現するのも夢ではないと思う。

本日の実証実験にご協力下さった皆様、本当に有り難うございました。
こんごとも、何卒よろしくお願いいたします。


2009年8月27日木曜日

AKB48

「去者日々疎、生者日々親」(去るもの日々に疎し〔うとし〕、生きるもの日々に親し)

この言葉は中国の古典「文選」雑部の中にある詩の冒頭の句である。「人生は、常に新陳代謝して、少しも定まることなく、古きは忘れられ、新しきがこれに代わり親しくなる。」という意味である。英語訳はこうだ。" The departed become distant over time, while those who come become familiar over time."

平易と言えば平易な言葉だが、その平易さの奥に、深い意味が隠されている。「去る者」は「旅立つ人」だけでなく「死んでしまった人」や「時代遅れになったものごと」も意味する。過去のものはみな忘れ去られていく、というさびしさは、一方で、新しいものを受け入れる、喜びと活力に変わる。転変を繰り返していく自然界の冷徹な摂理を表している。

田安門付近から見たお堀「牛ヶ淵」

WRO( レゴを使ったロボコン )の日本大会会場である、科学技術館に向かう途中、皇居に残る重厚な田安門をくぐり武道館にいたる道が、若い男の子たちの行列で埋め尽くされていた。列の最後尾あたり、係員らしき男性が掲げる文字に「グッズ最後尾」とある。アニメのフェアかプロレスかな? その後、武道館の入り口の表示を見ると「AKB48」とある。やっぱプロレスじゃん。ん?さらに見ると「選抜メンバー組閣祭り」ともある。これは衆院選の演説会。いやいや、それにしては、飾り付けが派手すぎる。芸能界著名人からの花輪が林立している。

後で芸能ニュースを見て知った。「AKB48」とは、プロレスリーグでも演説会でもアニメのフェアでもない。新手のアイドルグループである。それにしても苔むす石垣に囲まれた、北の丸公園。しかもつい先日の15日には、戦没者追悼式が行われたばかりこの場所で、美少女集団による公演と、グッズにならぶ男の子たち。戦没者慰霊墓園のある千鳥ヶ淵も目の前だ。まさに「去るもの日々に疎し」。戦後は遠くなりにけりだな。それよりまず、こんなことを思う私自身が「日々に疎し」だ。

世間の流れが大きく変わり、人々の価値観も変わっていく。昔のものは忘れられ勢いを失う。新しいものは増長し大きな顔をしている。大企業といえど、有名人といえども、時代に取り残されるものは、いつか新しい勢力に飲み込まれて消えていく。こうしたことが、実に鮮やかに目の前で起きている毎日だ。

8月26日付の日経朝刊紙面も、新旧入れ替わりの事例で埋まっていた。GMと日本、そして書籍は「去るもの」なのか?

  1. 米ゼネラルモーターズ(GM)傘下の「オペル」の売却交渉が迷走。
  2. 「低温世代」の経済学。幸せ手堅い低成長仕様。キーワードは「地位・名声・収入」から「堅実・実利・充実」へと変わる。
  3. 「一国一城を捨てて」キリンホールディングスとサントリーホールディングスの経営統合。目指すは市場を支配するは巨大資本。
  4. 時価総額の世界ランキング、日本企業首位は三業種のみ。日本企業は、中国など新興国の伸長著しい企業に追い抜かれる。
  5. ソニー、米国で電子書籍端末投入、アマゾン・キンドルを猛追。

2009年8月23日日曜日

レゴ・ロボット対決 1

今年で6回目の開催となる「おもちゃのレゴ」を使ったロボコン「WROロボコン2009」の日本決勝大会が、科学技術館で開催。今年の夏の暑さもふっとぶような「熱い闘い」がくり広げられました。昨年につづき、東京工科大学のインターネット放送局「intebro」が、この大会での映像撮影と配信を受け持つことになり、その引率として会場に行ってきました。
(WRO:World Robot Olympiad)


WROロボコンとは?

WROは自律型ロボットによるコンテストです。
世界中の子どもたちが、各々ロボットを製作しプログラムにより自動制御する技術を競うコンテストで、市販ロボットキットを利用することで、参加しやすく、科学技術を身近に体験できる場を提供するとともに、国際交流も行われます。WROオフィシャルサイトより

子どもたちに大人気のロボコンこと、ロボットコンテスト。NHKロボコンが有名ですが、実はロボコンには、全世界にさまざまな種類の大会があります。その中でも、この「WROロボコン」がユニークなのは、おもちゃの「LEGO」を使った競技であるというところ。そもそも玩具なんですから、男の子たちを引きつけるのは当たり前。(小学校の部では女の子の出場も意外と多い!)

この競技に使われる「MINDSTORM」というシリーズは、もともとレゴ社とマサチューセッツ工科大学の共同開発になるもので、1980年代より教育用コンピュータ玩具として研究されてきたものなのです。中央にはプログラム可能なCPU搭載の「インテリジェントブロックNXT」を乗せて、それに「サーボモーター」や「タッチセンサー」「光センサー」などのハイテク部品をつなぐという本格ロボットが作れるすぐれものなのです。筆者自身も学生のころからあこがれていた玩具なので、目の前の小学生がうらやましい!


真剣な表情で組み立て中

競技のルール

ざっとですが、小学生の部に限って説明します。

[組み立てとテストラン] まず競技参加選手(1チーム、2〜3人)は規定時間内(120分)以内に、完全にバラバラな状態の部品からロボットを組み上げなければなりません。大会当日になって発表される「サプライズルール」もありますから、選手たちは部品の組み合わせや、プログラムを変更してロボットをチューニングする必要もあります。組み立て時間内に、選手たちはコースに出て試走を行い、制限時間の120分の間に、試合本番に向けてロボットを完成させなければなりません。はっきりいって、WROロボコンの大会ではこの時間がいちばん面白いです。(特に小学生の真剣なまなざしと斬新なアイデア!)

[競技] 競技は、オフィシャル・コース上で順番に行われます。細かいルールはわからいのですが、毎年発表される規定に基づいて、時間やコース、走行の条件などをクリアしたかどうか、審判が判定します。また審査委員の先生が、競技の全体を見て点数をつけていらっしゃるようです。ですから、競技の順位は、その場で得点が出てきまるのではなく、競技後の審査会において決定されるようです。競技は、2回チャンスがあり、その間に選手たちは、ロボットの再調整ができます。

[車検] 参加ロボットの寸法など、規定に合っているかの検査を、競技の合間に行います。

真剣にロボットを走らせる。「おちるなよ〜」

実際に自分たちで考えたアイデアを形にして、動かしてみるという体験は、子どもたちにとっても最高のものかと思います。コンピュータプログラムをモニター画面の中で動かすのではなく、実際に走ったり、落っこちたりする「実物」として体感すると言うことが重要なポイント。なかなか、シナリオ通りには動いてくれないロボットを相手に、悩んだり考えたり、そして体を動かして参加するこの競技は素晴らしいと思います。何よりも参加している子どもたちの、真剣に輝く瞳が素晴らしい。また参加してみたくなるイベントです。

レゴ・ロボット対決 2

「おもちゃのレゴ」を使ったロボコン、WRO JAPANについてのレポート第二弾です。今回は、東京工科大学のインターネット放送局「intebro」の活動を中心にお伝えします。今回、WRO事務局から依頼された, intebroの役割は以下の3ポイントになります。(インテブロの技術参加は今年で3回目)

1:WRO JAPAN大会の会場での映像中継
2:大会全体の映像記録(後にDVD化しWRO普及に使用)
3:インターネットでの映像配信


今回、科学技術館1階に設営された会場では、上の写真のように放送卓を設け、ここをインテブロの本部基地としました。放送卓では、会場内に配置された2台のカメラを使って、実況中継を行いました。その映像はスクリーンに映し出されて、ロボコンに参加している選手だけでなく、応援の先生や家族に対して、競技全体の様子を伝え、また競技の「残り時間」を表示する機能も果たします。

[ 今回使用した機材類 ]
放送卓まわり:ビデオスィチャー × 2(EDIROL : LVS-400、V-4)/ SONY製マスモニ × 3 / ノートPC(競技残時間表示用) / ビデオエンコーダ
撮影用カメラ:会場中継用カメラ × 2 ( SONY: HDV-Z1J)/ 映像記録用カメラ × 3( SONY: HDV-A1J) / SONY製三脚 × 2



[写真]上:大きなカメラ(HDV-Z1J)は、会場中継用。会場全体の雰囲気を伝えました。主に三脚に載せて使用しましたが、競技が白熱してからは、手持ち中心での撮影になりました。下:小さなカメラ(HDV-A1J)では、競技に熱中する子どもたちの表情や手元を中心に、迫力ある映像をねらって撮影しました。小学生の真剣な表情と白熱する競技内容に、ついつい撮影する側も引き込まれてしまいます。

WRO大会のように、広い会場で行われるイベントは、参加する選手や観客にとって、全体の進行状況が意外と分かりにくいという問題があります。それは、グッドデザイン・エキスポなどのコンベンションにおいても同様です。会場に来ているすべての人に、わかりやすく情報を伝え、イベント全体の内容と雰囲気をしっかり伝えるということが、イベントの成功の鍵になると思います。「会場で何が行われているかさっぱり分からなかった」では、せっかく来場したお客さんは、満足できないからです。特に今回は、会場が科学技術館の2つ展示室に分割されたこともあり(入り口でつながってはいました)双方の会場のコミュニケーションの意味でも、現場の中継映像は重要でした。

intebroは、本来インターネット放送局ですから、会場演出の仕事が中心ではありませんが、イベント全体を盛り上げるために、こうしたサービスへの参加も重要だと考えています。また、会場中継の映像そのものを、ライブ配信の映像素材として使うこともできるかと思います。今回、科学技術館の会場には、無線LANが無く、実現はしませんでしたが、次回は是非、ユーストリームやスティッカムなどを使った、生放送中継に挑戦してみたいところです。(今週末、8/29〜8/30開催の、グッド・デザインエキスポ2009ではやります!)

[参考] インテブロによるデザインステーション




[写真] 上:ずらりとならんだトロフィー(レゴで出来てます!) 下:車検(ロボットの大きさや設計がルールを違反していないかチェックします)を待つ、小学校の部のロボットたち

今回のWRO JAPAN(日本におけるチャンピオンシップ)を勝ち抜いたチームは、11月6日に行われるWRO国際大会(韓国・浦項市)に参加して、世界中から集まる200チームと知恵と力を競います。子どもたちが、ピュアな発想力で作るロボットは、年々進化していて、大人たちを驚かせているようです。intebroも、WROロボコンとともに、進化をつづけられる団体でありたいです。


2009年8月18日火曜日

ゆるがじぇっと

今年もGDEX09(グッドデザイン・エキスポ)が近づいてきた。展示公開を前に、六本木ミッドタウン「A971」にてプレス・リリースを兼ねたキックオフイベントが催された。
この日は、東京工科大学のintebro(インテブロ)の活動として、キックオフイベントの撮影と、映像配信のために学生11名とともに参加した。また、会場にいらした出展者の方々に、ショートインタビューも試みた。(GDEXサイトおよび、intebro特設サイトにて公開予定)

このイベントのタイトル「ゆるがじぇっとないと」が示す「ゆるいガジェット」とは何か。インターネットのゆるいコミュニケーションを使った、新しくて可愛らしい道具たちのことである。Poken(ポーケン) / Fon(フォン) / Eye-Fi(アイファイ) / Chumby(チャンビー) / Anobar(アノバー)そして、Stickam(スティッカム)といった、最近いつの間にか登場してインターネット世代の心を掴んだ「ゆるいお友達」の面々である。

2ちゃんねるの「テレビ実況サイト」書き込みを、電光掲示板で流し続ける「アノバー」や、小型テレビ型で、ネットコンテンツを適当にひろいあげる「チャンビー」は、いわばテレビコンテンツのスピンアウト製品か。「アイファイ」によるワイヤレス・アップロード機能と「フォン」による公衆無線LAN環境の組み合わせは、無線インターネットの無限の便利さを感じさせてくれるが、どこか「ほどほど」というゆるさが残る。学生に大人気だった「ポーケン」は、無線による名刺データの交換ツール。これも現在のところは、ビジネスの現場で使われるとも思えず、とりあえずは、ハイテクなパーティ・グッズというところか。

携帯電話やPCといった、これまでの「大まじめ」なインターネットツールに比べると、これらの「ゆるい」ガジェットは、いずれも「Twitter」の流れを汲む、脱力系イノベーションに属する。いずれも、特段には肩肘はらず、その製品開発を楽しんでいるような雰囲気が楽しい。
これら「ゆるがじぇっと」プロダクツの特徴をまとめるとこんな感じか? 

1:他人のコンテンツ、他人のインフラを流用している
2:単機能でシンプルなインターフェース 
3:あっても無くても良いが、あると楽しい存在
4:既存のキャラや、既存アートシーンの路線踏襲
5:ちょっと笑える

これは私のニンジャ型Poken。
内部の私の名刺データを他人のPokenと交換できます。
下はPokenブース。アキバっぽい!


このような「ゆるがじぇっと」が生息するインターネット時空間とは、決して金融ビジネスやら国家戦略やらが行き交う、情報空間ではない。あくまで、ネットの中に蔓延しているゆるい「空気」のようなものを形にしてくれる道具のように思える。あいまいな社会状況をあいまいなままに感じる。そんな「ゆるさ」を心地よく実現するガジェットは、現代におけるトランキライザー(精神安定剤)の役割を果たしていくのかもしれない。私が身近に置いておきたいものナンバーワンは「アノバー」であった。(発売予定未定。ザンネン)

ゆるいと言えば、当日会場から「ダダ漏れ」映像配信を敢行していたのは「ケツダン・ポトフ」の、そらのさん。たったひとりでイベントに乗り込んで、リアルタイム中継をやってしまうところは、さすがに「決断」 そのゆるさは、実はゆるさにつけこんだ「するどさ」のようにも感じる。たいした行動力。intebroの学生にも見習ってほしいところである。
(下の写真:手前でカメラを操作中のそらのさん)