2013年2月23日土曜日

大海の底深く新しい知識の泡が生まれる


それではまた、リチャード・ファインマン先生の詩をご紹介しますね。

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海底深く分子は
すべて互いのパターンを繰り返す
新しく複雑なものが生まれるまで

こうして生まれたものはまた自らとそっくりなものを作っていく
そしてまた新しい踊りがはじまるのだ [ 中略 ]

ゆりかごを離れ
こうして今 乾いた土地に佇む私は
意識ある原子
好奇の目を持った物質だ

恣意することの驚異に打たれ
私は海辺に立ちつくす  [ ☆1 ]

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2013年2月18日月曜日

異界からの客人はどこへ消えたのか


小泉八雲の「怪談(不思議なことの物語と研究)」は明治時代までの日本に残っていた、怪異の話、不思議な伝承を丁寧に拾い集めたものです。ギリシア出身の人気記者でありながら、日本文化の魅力にとりつかれ、日本の文化を海外に紹介した小泉八雲。「怪談」は、東京帝国大学を解職後の短期間でまとめられたものです。不可思議な物語を美しい文章に結晶させた傑作といわれています。
この「怪談」におさめられている物語は、人を怖がらせるための「ホラー」ではないと思います。むしろ読んでいて心の奥底が暖かくなるような本です。昔のなつかしい風景に再会して、ゆっくりと夕暮れに包まれていくような気持ちになる。怖い話であることは間違いないけれど、むしろそんな風に心を落ち着かせてくれるような本だと思います。

なぜでしょうか。その理由は、不思議なことが起きる「異界」が、とても自然に設定されているからだと思います。「怪異」が住んでいる世界が、ごく自然に私たちの隣にある。だから、どの物語も自然に私たちの心にしみ込んでくるのです。