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1月 30, 2011の投稿を表示しています

シャベル持っていきましょうか

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世紀の大奇人?

リチャード・ファインマンといえば、典型的なマッド・サイエンティストかと思っていました。頭が良すぎて、一般常識の世界には生きられない変人なのだと。

だって、これまで読んだファインマン先生の話は、みんな奇想天外なエピソードばかしだったんだもの。科学読み物の中での彼は、周りの常識人を混乱と狂気の渦にまきこむ奇人。「精神異常」を装って兵役を免れたとか。ちょっと意地悪という感じで書かれていることも多いし。ノーベル物理学賞受賞者のくせに、本当に困った人という印象だった。(☆1)

ところが。最近、ファインマン先生に対する、私の印象はすっかり変わってしまった。「困ります、ファインマンさん」という本を神田で見つけて読んだから。抱腹絶倒のエピソードが満載の、このエッセイ集を読んで、私はノックアウトされました。今、私は思う。ファインマン先生は、まったくもって変人などではない! むしろまわりの常識人たちよりもよっぽどまともだ。ただ先生の心が、純真な子供のままなのだけだ。

物理学とは関係ない仕事でありながら、幼いリチャードを「絶対に偉大な科学者になる」と信じて(生まれる前から)科学する心を教えてくれたお父さんとのエピソード「ものをつきとめることの喜び」や、初恋の人アーリーンを、結婚直後に結核に奪われる体験をつづった「ひとがどう思おうとかまわない! 」などの感動の物語が、この本にはぎっしりとつまっていました。

シャベル持っていきましょうか?

1986年の夏、物理学会のために東大から招待を受けて来日。学会終了後に日本側主催者は、ファインマン先生に美しい日本を見ていただこうと、京都や奈良などの名所旧跡のホテルを予約しようとした。しかし、ファインマン夫妻(三度目の妻、グウェネスさんと来日)は、誰も聞いたことの無い伊勢奥津の、日本式旅館に泊まると言って聞かない。

伊勢奥津にある旅館の主人も、洋式トイレがないし、高名な外国人科学者をもてなすことは無理だと言った。しかし夫妻はひるまない。「私たちは前回の旅では、シャベルとトレットペーパーを持って穴を掘って用を足しました。なんならシャベル持っていきましょうか?」という。これを聞いて旅館主人は喜んで夫妻を受け入れた。伊勢奥津の地元の人々は、夫妻の心の美しさと気遣いに感動。神社の氏子あげて、心からのもてなしをしたとのことだ。

その後、癌との闘い…