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先義後利

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先日の出張の帰り道、京麩の老舗、半兵衛麩(はんべいふ)に寄りました。半兵衛麩は、日経新聞の「200年企業」でも取り上げられた長寿企業。元禄時代の創業から太平洋戦争の動乱を生き残った。五条界隈で異彩を放つ石造りの建物は、軽やかな京麩のイメージとは違い、質実剛健そのもの。

半兵衛麩の家訓は「先義後利( せんぎごり )」だそうです。正しい人の道を先にして利益は後にする。江戸期に「石門心学」をとなえた石田梅岩の影響だそうだ。商売を支えるのは、あくまで人間の信用、すなわち道徳であると教える。

半兵衛麩を守り続ける玉置家の主人。
先祖代々からの言い伝えを聞いて育ちます。

<「言う」に人( にんべん )が付いたら「信じる」になり、信じる者が横につくと「儲かる」になる。つまり「商売の基礎は"信者"」をつくること。 >

いまや、大変な就職難の時代となり、大学では四年生の「就職力」が問われています。しかし「就職力」って一体なんなんだろう? まあ、いろいろとあるんですが、最近よく聞くのは、対人関係を築き、人との信頼関係を作る「人間力」です。ところがいまの「ゆとり世代」育ち学生には、これが一番の苦手らしい。

「ゆとり世代」というと、学力低下、目的意識の希薄化、モチベーション不足などと言われます。しかし、大学で実際の彼らと向き合う中では、そのような印象はありません。むしろ、若い彼らは、大人以上に勉強をしたがっており、自己改革意識や向上心を持っていると感じます。ましてや「ゆとり世代」が、他の世代よりも劣っているなどという事実はない。

私は「ゆとり教育」に問題があるとすれば、「道徳教育」の位置づけにあるのではないかと感じています。

半兵衛麩で家訓となっているのは「先義後利」でしたが、「ゆとり教育」では、それが全く逆の「先利後義」になってしまっているような気がするのです。

授業時間を減らした結果、授業内容は受験戦争の「実利優先」となる。しかし、その結果「人間として何を大切にすべきなのか」「友人関係をどう築くか」など考える時間が減ったのかもしれません。

半兵衛麩では、お買い物をするお客様に、お買い物をする前にまず、写真のような、美味しい「麩入り」のお茶を出してくれるんですよ。さらに、WEBでは、京麩を使った料理のレシピを親切に紹介していますし。

私も気持ち良く…