おそらく史上最低のFBI捜査官だけど

ヤフェット・コットー演じる、アランゾ・モーズリ捜査官

いい脇役が活躍すると映画というものは面白くなる。個性的で癖のある脇役は、映画のテイストまでを変えてしまう。

この人もそうです。ヤフェット・コットー。「エイリアン」では、怪物に噛みつかれちゃうパーカー技術航海士の役をやってました。

この扮装は映画「ミッドナイト・ラン」に出てくるFBI捜査官。アランゾ・モーズリー捜査官の役です。どうですか。名前も格好も、すでに「大丈夫か、この人」という逆期待感に満ちています。コワモテなはずなのにどこか抜けてます。見ているこっちが心配になってきませんか?

「ミッドナイト・ラン」という映画は主演のロバート・デニーロご自身がお気に入りに挙げているとほどの快作です。デニーロが演じるのは孤高の賞金稼ぎ、ジャック・ウォルシュです。元警察官という訳ありのキャラクター。ジャックは横領犯を護送して、アメリカ大陸を大横断していきます。

さて、これを追撃するのが、アランゾ・モーズリー捜査官とそのご一行。DVDでぜひ見て下さい。こちらの期待感通りに、どんどんやってくれますよ。この人の見事な「オウン・ゴール」連発のおかげで、緊迫した追跡劇がいつの間にか、微笑ましいコメディタッチに彩られていくんですから。

もともと犯人など乗っていない飛行機をロサンゼルス空港で待ち伏せ。次に狙ったアムトラック鉄道のサウスベンド駅でも、同じあやまちを繰り返す。ジャックたちは二駅ほど前のフリーモントあたりで降りちゃってますよ。入ってくる情報を鵜呑みにするからこうなるのです。

シカゴのグレイハウンド終着駅では、マフィアの狙撃部隊とわざわざ大銃撃戦をはじめる。大局を見ないから、ジャックたちに逃走のチャンスを与えてしまう。そもそもロサンゼルスで最初にジャックを恫喝した時に大失態。ジャックにまんまとFBI身分証を盗まれている。FBI捜査官になりすましたジャックは楽に逃走を続ける。

ま、こうしてみると、映画「ミッドナイト・ラン」において主人公ジャックの逃走を成功させた一番の功労者が、このモーズリー捜査官だということ。賞金稼ぎのジャックと彼は、永遠のライバルでありながら、同じゴールを目指すよき親友のようでもあります。最後は旅の成果を仲良く分け合うことになるし。

24年の時を経て「ミッドナイト・ラン」の続編が制作されることになった。じつにめでたい。デニーロの主演は決まっているそうです。すると気になるのは、脇役陣たちの扱いです。

前作からのカムバックがもっとも取り沙汰されているのは、やはりチャールズ・グローディン( ジョナサン・マデューカス役 )。彼の演じる知能犯税理士。ほんとに素晴らしかった。しかし、前作のエンディングから考えると、彼は世間から消えて行方不明のままのほうが彼のためかもしれない。

そうなると、俄然気になってくるのが、このアランゾ・モーズリー捜査官なのですよ。ぜひとも再登場して欲しい。えっ? 24年たってたら、FBI捜査官は定年ですか。そうですよね。でも、とにかくジャックとモーズリーの再会を是非とも見てみたいです。

前作で手にした大金を元に、ジャックはコーヒーショップを開いているらしい。そこに、サンドイッチ用の野菜とか届けにくる近所の八百屋さんっていうのはどうかしら。FBI定年後に、実家の青果店を手伝ってる。そんな設定はどうでしょうか?

現在、ティモシー・ダウリングが書いた脚本を、「G.I.ジョー」のコンビ、デーヴィッド・エリオットとポール・ラヴェットがリライト中とのことです。お願いします。この人、モーズリーさんの存在を忘れないで下さいね!

☆Midnight Run Trailer

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