火曜日が楽しみ

ものすごく忙しい週末だったので、あまり気にもとめていなかったのですが、先月の5月19日(土)に、千葉県地方では大変なことが起きていました。広域にわたる「断水」で、埼玉や群馬でも騒ぎは広がったのです。基準値を超えるホルムアルデヒドが検出されたから。

我が家の近所のコンビニや酒屋さんでも、ペットボトルの水が早々に売り切れに。しかし結局のところ、我が家は「断水」という事態には、ならなかったのです。なぜか。それはうちの近所の「浄水施設」が最新で優秀の施設だったからです。

くわしくは知りませんが、なにか特殊な浄化装置というものがあるそうで、浄水所によってはそれが無いところもあったとのこと。人間の生活にとって「水」の供給は、最も重要なインフラ。浄水施設の機能がこうして進歩しているのは、なんだか安心。関東県全域にこうした設備が配備されてほしいですね。

「エリン・ブロコビッチ」という映画は、「水」をめぐる法廷闘争を描いた映画。弁護士の資格もなく、ロースクールに通った事もない、極貧のシングル・マザーが、公害を垂れ流す大企業を相手に、巨額の賠償金を勝ち取った。そういう実話に基づいて作られています。まるで映画のような話。だけど実話。アメリカ全土が、このサクセス・ストーリーに「スカっとした」という。私もこの映画、見て「スカっと」しました。思いっ切り。

化学プラントの配管に手抜き工事があり、工場流域に「六価クロム」をまき散らしてしまった大企業は、流域の住民を、保証金によって懐柔し、被害そのものを隠蔽しようとしていた。しかし、実際には終わる事のない病魔に冒されて苦しい生活を続ける住民の実態を知った主人公。破天荒な行動で、プロの弁護士を上回る成果をあげていく。たったひとりの人間の、情熱の行動が世界を変えてしまう実例。

今週の火曜日に最終回を迎える、フジテレビ「火9」枠の「リーガル・ハイ」。緻密な脚本と、堺雅人の体当たりマシンガントーク演技が話題。毎回、奇想天外な法廷闘争と人間模様が、ほんと面白いです。このシリーズには、マニアがニヤっとする、隠しネタが満載のようなので、気が抜けません。第9話から第10話では、上述の「エリン・ブロコビッチ」的ネタが随所にあって、公害訴訟で多額の賠償金を勝ち取るプロセスに、この名作映画へのオマージュが捧げられている(と思います)。特に、コップの水のエピソードには、ちょっとドキリとしました。

古美門弁護士(堺雅人)に公害訴訟の手助けを懇願する農民たち。これも「七人の侍」の設定をベースにしているんですよね。(しっかりと、七人の侍のテーマが流れますもんね)村の長老・有馬たね(左時枝)のセリフの端々にも、黒澤監督への賞賛が溢れているようです。できれば、いつかこのすごい脚本を書いている古沢良太さんに、脚本執筆秘話をご披露いただきたいのだけど。こういうのって、宮藤官九郎さんの作品にも沢山ある。いい作品を作る方は、名作を沢山見ているんでしょうね。

いままで、これ以外に僕が発見できたのは、以下の小ネタ。里見浩太朗と大和田伸也(TBS・水戸黄門シリーズ前期の佐々木助三郎と渥美格之進)おふたりのハチ合わせで流れた黄門様のテーマ。それから中村敦夫さんの登場での、木枯紋次郎のテーマ。おそらく、しっかり見直すとこれ以外にも沢山隠れているんだろうな。いつか、録りためたビデオをゆっくりと見直してみたいものだ。

最近ドラマ番組をふくめて、ネタの再使用については、きびしめの意見が大くなっている。しかし、このシリーズのように、見る者が「ニヤ」っとして楽しめるようなネタの多彩な活用は、これは過去の作品へのオマージュとして、観客は大いに楽しむべきかと思います。こうして、才能豊かな作家が、過去の名作を「尽きない水源」として、どんどん再資源化することで、結局テレビや映画の文化は、豊かになっていくのではないでしょうか。僕はそんなふうに考えて、今週の火曜日の夜を楽しみに待っています。

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