パラソルの下


パラソルを見ると心がなごむ。

パラソルは誰も拒まない。地元の人だろうが、観光客だろうが関係ない。水着でも正装でも構わない。堅物でもおふざけでも、誰でもどうぞ。多様性を受け入れる自然界そのままに寛容だ。

それと比べて、近年の企業の採用は大丈夫だろうか。このところ、ある種のタイプばかりが選別されているような気がしてならない。コミュ力があってプレゼンが上手い若者。はきはきしていて社会適応力のありそうな学生。そういうタイプから順に採用が決まっていく。

のんびりした優しい子、ぼんやりと夢を見ているような芸術系。黙って一人で猫と遊ぶのが好きな自然人。そういうタイプはみな就職で苦労している。

集団行動の世界で、社会的適正のあるタイプが選ばれるのは当然だけど、このままでは、世の中は小才な人間ばかりになってしまう。スーツ姿でパワポのプレゼンが上手い人間ばかり。そんな会社を想像すると本当に恐ろしい。

多様性を失った会社は、つまらないだけでなく脆弱なのだ。同じような人間による単一の価値観しか持たない集団は、予期せぬ変化に耐えられない。危機に面した際に多様な選択肢を持ち得ないからだ。

太陽の下で、多様な人間が混じり合うパラソル。
その寛容な姿は、自然界の中で安定して見える。