スコールと青空
日本とマレーシアの間には、MJHEPという、留学生受け入れの教育プログラムがある。 マレーシアで上位5%という学生さんが、まずは日本語を徹底的に勉強する。その後、日本の大学の編入試験を日本語で受ける。配慮の行き届いた素晴らしい留学制度である。 編入試験は、日本の大学の先生方がマレーシアに訪れて行う(その方が旅費が節約できる)。私も試験のために2度現地を訪れた。試験に来る学生さんは、みな日本への関心が高く、ピュアな感性と向学心の持ち主が多く、面接はとても楽しかった。 試験のある11月は雨季。夕方になると突然、雷鳴が鳴り、土砂降りの雨となる。面接の声が聞き取れなくなったり、ホテルのバルコニーに濁流があふれたりもした。スコールのあとは、決まって虹と青空が出る。 マレーシアの学生さんは、きらきらと輝く目をしていて、豊かな感性の持ち主に思えた。もしかするとそれは、現地の気候にも関係しているのかもしれない。スコールと青空。この激しくも、くっきりとした自然の中で、雨に洗い流されたような心が育まれるのだろうか。