コペルニクス



NHKで働いていた頃、仕事が終わらずよく遅くまで残って図面やスケッチを描いていた。夜10時すぎくらいになると、スタジオで収録を終えた先輩たちが、ひとり、ふたりと部屋に戻ってくる。みな帰る前に、決まって私の背後までやってくる。

みな、私の仕事にひとこと批評をくれてから帰るのだ。有難いことではないか。

「あー、それダメでしょ。遠近感逆でしょそれでは。下手だねー」 
「なに描いてんの、そのパーツ意味ないんじゃない?予算の無駄」
「ひどい色だねー。やりなおしたら?はじめからやったほういい」
「ささきちゃん意外とうまいね」とか、ほめられることなんて、100パーセント、ない。

だけど、先輩に声をかけてもらう、むちゃくちゃ言われる。そういうのが日常だった。むこうもこっちも、遠慮なく言い合いをしたり、批評をしたり。年齢の差なんか関係なく本気でぶつかりあう。熱いコミュニケーションがあった。いま思えば、かけがえのない経験だったかもしれない。

コペルニクス先生がポーランド人とは知りませんでした。
ワルシャワの東のはずれの旧市街。大きな台座に座る記念像があります。どこから見ても堂々としていて美しい。

それはそうでしょ。
地動説を発見した人。世界観をひっくり返した、人類の大先輩。
夢のまた夢とは知りつつ、コペルニクス先輩みたいな大偉人と飲みに行って語り合えたら... どんなに面白いことだろう?「ほんとに地球は丸いんですか?」とか聞いてみたい。 ド緊張してなにも話せないとは思うけど。


Popular posts in Avokadia

帝国ホテルについて知ったかぶり

レイチェル・リンド

本物らしいということ