際限もなく



植木屋さんがゆったりと枝を切る「パチン、パチン」という音を聞いた。

清々しい気候のせいか、とてものんびりした音に聞こえた。ハサミを使って植木を剪定するという仕事が、とても優雅で楽しそうに感じた。そこで、こんなことを思った。仕事や人生、時間の締め切りなど気にせず、作業に集中できればどんなことでも楽しめるはず。

これが過密スケジュールに追われる身だったら、そうはいかないだろう。次の仕事の段取りや賃金のことが気になったら、「パチン、パチン」と優雅にはいかない。気ぜわしくこなす仕事は味気ない。でも出世のためだろうか、人は時に際限なく仕事を詰めんでしまう。

リスが口いっぱいにエサを詰め込んでいる動画を見た。

ほほ袋に詰め込めるピーナツの量にも、さすがに限界があるらしい。顔が2倍に膨らんだあたりで諦めて逃げていった。際限なくピーナツを詰め込むリスなんかいたら、これは見ていられないな。しかし、生きるということはまさに執念だ。

たまに自分の何倍も大きい獲物を飲み込んでしまったヘビの写真も見る。だが、さすがのヘビも、大きな獲物を飲み込んだ後は消化できるまでしばらくじっとしている。その点、リスやヘビのさらに上を行くのが人間だ。お金がある限り美術品や有価証券に大量に投資してその蓄財には際限がない。万物の霊長と言われるだけはある。

Popular posts in Avokadia

レイチェル・リンド

ヤノマミ族のこと

帝国ホテルについて知ったかぶり