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10月 30, 2011の投稿を表示しています

テンプレ人間

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最近の学生はよく、「テンプレありますか?」と聞いてくる。

「てんぷら」ではない。研究室に「てんぷら」はない。そば屋ではないのだ。彼らの言う「テンプレ」というのは、いわゆる見本(テンプレート=定規)のこと。つまり彼らは自分がこれから書くべき申請書や、依頼文、はたまたレポートや卒論などの文章の「すでに出来上がった」良き見本はないのかしら。そう言っているのだ。

一見立派な話でしょ。自分の文章には自信がないので、より良い見本があれば参考にしたい。できれば先生のお書きになった、理想的なものを見せて下さい。そのように考えているならば立派な話だ。受けて立とうじゃないか。

希望にも格差があるのか

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恐ろしい本を手にしてしまったよ。

その本のタイトルは「希望格差社会」という。なんと残酷なタイトルなのだろう。これからの日本は、希望を持てる者と、持てない者とが差別されるようになるということだ。たった二割の成功者以外は、大卒であろうが高卒であろうが「希望」とは無縁の人生を歩む事になる。そんなきびしい現実。今の学生たちのことを思うと胸が苦しくなってくる。

しかし、著者の山田昌弘氏の本意はそれではない。少子化とグローバリゼーションに流される、日本社会の構造変化への警句だ。この流れに抗するのは容易ではない。しかし、我々自身がこの奔流に流されているという自覚を持つ事で、崩壊する労働環境にある日本社会の脱却点をみつけることができるかもしれない。そう望むからこそ、このような恐ろしい本を書いたのだと思う。

奇跡のミステイク

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ノーベル賞受賞者らしからぬ、この優しい笑顔。
北大名誉教授の鈴木章先生。おだやかで謙虚な「いい人」なのだろうな。漠然とそう思っていた。

北海道大学総合博物館で、鈴木-宮浦「クロスカップリング」の展示コーナーを見て、その印象はさらに深まった。在任当時の先生の研究室を再現したコーナー。実物の机や研究室備品が展示されていた。どれも、先生の飾らない質素な研究生活ぶりを示している。手回し式計算機、時計、ペン立て、どれもこれも全く普通のものばかり。高級品や贅沢な嗜好品などは何もない。

「鈴木章・ノーベル化学賞への道」(北海道大学出版)を買って読みました。「クロスカップリング」についてわかりやすい解説が載っているし、この研究がどのように進んで来たのか、面白いエピソードが満載。

この本の中で注目したいのは、鈴木先生に起きた「偶然のミステイク」の話だ。