ちっちゃいけど逞しいね


毎朝、郵便ポストから朝刊を取ってくるのはわたしの仕事です。近所へのゴミだしのついで。だんだん寒くなってきたのでちょっと面倒になりましたが、朝食で朝刊を広げるのは、数少ない楽しみのひとつなので。特に、最近の第三極やらなんやら選挙戦前の政党乱立で、にわかににぎやかになって以来楽しみですね。みなさんも堪能されていることかと思います。

でも、いったい、どこに投票してよいのやら、まったく途方に暮れています。

それとは関係ないのですが、ポストから朝刊をとって、ふと足下をみました。
この子がいました。うちの庭でも、もっとも分の悪い場所でひっそりと花を咲かせている。ポストやら塀やらの日陰になって、ほとんど太陽の光を受けないポジションです。でもここに植えられちゃったんだもんね。

家内に聞きましたが、名前忘れたそうです。植えられたことも忘れられて、名前まで忘れられて。ほんとごめん。でもとりあえず「菊」の仲間のようなので、野菊と呼びます。うちの近所は「野菊の里」といわれてますし。

それにしても、この「踏みつけられても立ち上がりますよ」というたたずまいがいいですね。ぱっと見て、ちょっと感動しました。こんな日陰に。こんな目立たないとこで、咲いてたんだね。僕も、知らずに何度か踏んじゃったかもな。すまん。

今日の夕刊。「大卒内定率2年連続の上昇」とのこと。少し明るい話題です。それでも就職概況は少しも改善していないような気がする。「上昇」っていっても、大学生が就職先の目標を下げているのが実際だから。どの政党も、若者の就職問題については、あまり大きな課題と認識していないようなですね。僕や学生にとっては大問題なんだけどな。

僕たちがどの政党を選び、どの政策を選ぶのか。大変難しい選択になっている。考えてみれば、これまでだって「難し」かったのだ。バブルの次代を経て、さらにリーマンショックを経て、東日本大震災を経験した。僕たちの国日本は、そのつどそのつど、最善の選択を続けてきたはず。でも、こうして振り返ってみるとそれも怪しい。それだけ、このグローバル化した複雑な世界では「正しい」選択というものが見えにくい。未来を見通すことの難しさ。

その点自然は静かにそして確かに歩いている。足下ではこうして小さな花が咲く。欅の大木は黄金色の葉を散らしている。東の空、いつの間にか月は満ちて、牡牛座付近の木星と並んでいる。

騒いでいるのは人間社会だけか。


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