みんないなくなった


うちの大学では、学生さんのための食堂や休憩コーナーに、こんな感じの可愛らしいイスが置かれている。でも「いまの学生さんは恵まれているな」という感想を持つのは大人ばかりで、当の学生さんたちと言えば、イスのデザインなんぞよりもおしゃべりや食事に夢中だ。

もちろん彼らも時には「うちの大学は環境がいい」とか言ってくれるけれども、正直のところ周囲の環境を楽しんだり眺めたりするよりも、ゲームやアニメ、そして時に人間関係など、夢中になることがたくさんあって当然。彼らの頭の中は、自分と友達との関係や遊びのことなどでいっぱいなのだろう。それが思春期というものだ。

キャンパスの花壇の花を眺めたり、食堂のイスの写真を撮ったりしている暇人は、高齢者の私くらいだ。そして特に今日はこのイスたちもひどく寂しそうだ。肝心の主役である学生さんたちは、ポケモンを探してみんなどこかへいなくなってしまった。


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