コミュニケーションの森

「ある森にある音声の周波数は、すべての帯域が各種の生命によって埋め尽くされている」という考え方がライアル・ワトソン著「エレファントム」 の中で紹介されている。正確を期すために、以下一部引用させていただく。

「生態が安定したところでは、生物音が切れ目なく全体を満たしている。あらゆる周波数のスペクトルがきちんと埋められているので、音が一つの完全な状態を保っているのだ。それぞれの地域で、生物たちは互いに穴埋めをするように音を出している」

そして、その音のコミュニケーション全体の底辺で、長く遠くまで届く、超低周波の音域を使っていたのが象であったという。ワトソン氏は、その象が絶滅に瀕している南アメリカ大陸では、「象が占めていた重要な場所(音声帯域)には音の穴があいている」と述べる。

象たちは、それぞれの個体が、信じられないほどの広大な行動範囲を持ち、そしてお互いに遠距離の通信手段(低周波帯域の音声コミュニケーション)をしている。したがって、象がいる地域には、象社会による通信ネットワークが形成されていた。象たちは、人間社会よりもずっと早く、ワールド・ワイド・ウェブによる社会コミュニケーションを作り上げていた。

それが、象たちの信じられないような行動(ばらばらの個体が同時期に一斉に水場に集まる、離れた場所の象同士が平行線を引くように移動していく、広い地域に点在している雄と雌が、一年のある時期にだけ出会うなど)を可能としていたのだ。その素晴らしいネットワークが、いまや人間による乱獲によって分断され、消えていこうとしている。

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