柳生家の家伝書
限定した心を戒める「兵法家伝書」
江戸前期、徳川家康から家光の時代にかけて、幕府の剣術指南役であった、柳生但馬守宗炬(むねのり)が、柳生家のために書き残した「兵法家伝書」には、人間の日常からの心得や、生死を分ける勝負における精神の持ち方について、具体的に書き記された「戒め」が書き残されている。これは、柳生但馬守が、臨済宗の名僧、沢庵から直接学んだ教えを伝えたものでもある。以下一部引用する。
「かたんと一筋におもふも病也(やまいなり)。兵法つかはむと一筋におもふも病也。習いのたけを出さんと一筋におもふも病、かからんと一筋におもふも病也。またんとばかりおもふも病也。病をさらんと一筋に、おもひかたまりたるも病也。何事も心の一すぢに、とどまりたるを病とする也。此様々の病、皆心にあるなれば、此等の病をさって心を調る事也(ととのうことなり)」。
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