人間でなくていいの


「シンサツジカンガ、チカヅキマシタ」
「シンサツケンヲモッテ、マドグチマデオイデダサイ」

喫茶店で時間をつぶしていた僕の携帯が鳴った。
待っている病院の診察時間が近づいたことを、機械が教えてくれているのだ。

実に便利な世の中です。薬をもらうために病院の待合室で待たなくても大丈夫。スマホから予約しておけば、こうしてちゃんと時間を教えてくれるのだ。そういえば、別の病院ではこんなこともあった。自販機に診察券をかざすだけで、医療費の支払いもできた。医療の現場ではこのように、日々、機械化による環境改善が行われているのだ。

でもね。と僕は思う。たとえお金がかかったとしても、機械よりも人間が良いのではないでしょうか。患者の待ち時間の整理だけでなくて、待合室のお掃除をしたり、患者さんにお声がけしたり、そういう仕事だって、あるんじゃないんでしょうか。

ディープ・ラーニングというものがあるらしい。さまざまなデータ、情報を溜め込むことで、コンピュータが非常に賢くなる。それによって人間を凌駕するような仕事をするようになるという。チェスや将棋の世界では、すでに人間よりも優秀になるのですね。

でも、その仕事、ほんとうに人間でなくていいの。一度よく考えなくていいのかな。


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