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2月 19, 2012の投稿を表示しています

我思う、ゆえに我あり

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「キッド」の撮影を終えたばかりのチャップリンを、サミュエル・リシュフスキイというロシア人の少年がたずねてきた。彼は、七歳で世界チェス選手権保持者という天才。

少年は、二十人の大人を相手にチェスの同時対戦をするというエキジビジョン・マッチを行うために、カリフォルニアに来ていたのだ。彼はカリフォルニア州選手権者のグリフィス博士を含めた大人全員を、いとも簡単にねじ伏せた。チャップリンは、その光景を「それはどこか超現実的な光景でさえあった」と述べている。少年そのものも、かなり変わった子だったらしい。(☆1)

収入のため働く

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左でファイティングポーズをきめているのは、鯖島仁(さばしまじん)。昨年、日テレで放送された「ドンキ・ホーテ」の名物キャラ。外見は古典的な武闘派ヤクザに見えますが、実は児童相談所の心やさしい所員なのです。(大好きキャラなので、CGで再現させていただきました)

ヤクザでなおかつ児童相談所?複雑な設定だけど、これが意外にうまくいく組み合わせ。きわめて特殊な職業形態。いまの日本では、児童相談所という職場が忙しい。これは現代における、悲しい特殊事情が生んだ仕事だけど。職業にもさまざまな成立用件があるのだ。

さて昨日までの話のつづきです。夏目漱石先生の時代にも、こうした特殊な仕事というものがいくつも生まれたらしい。以下、漱石先生の講演録「道楽と職業」から。

「とにかく職業は開化が進むにつれて非常に多くなっていることが驚くばかり眼につくようです。怪しからぬと思うような職業を渡世にしている奴は我々よりはよっぽどえらい生活をしているのがあります。[ 中略  ] 開化の潮流が進めば進むほど、また職業の性質が分れれば分れるほど、我々は片輪な人間になってしまうという妙な現象が起こるのであります」

職業か道楽か

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未曾有の就職難に襲われる大学。そこに身を置くものとして、ちかごろ私は「職業とは何か」と考えさせられている。先日も、出版関係の方と飲みながら、これからの若者の「職業」について、意見を交わしたところだ。そして偶然、この本を開いた。

夏目漱石晩年の講演録「私の個人主義」という本。この本には、漱石が関西において行った、4つの珍しい講演の内容が記録されている。

第一の講演のタイトルが「道楽と職業」なのである。聴衆にむかって「私はかつて大学に職業学という講座を設けてはどうかということを考えたことがある」と語りだす漱石先生。大学での就職指導にあたる私にとっては、格好の教科書ではなかったか。この本、購入以来四ヶ月も「積んだ」ままだった。私は馬鹿だった。

むちゃくちゃ面白いではないか。
とにかく、急いで読んでみた。

「道楽と職業」というタイトルのとおり、この講演の眼目は「道楽」と「職業」をくらべてみること。漱石は「道楽」の本質とは、実は「職業」のそれと同一あるとのべる。どちらも、自分の持てる体力や知力を使って働くことに違いはないのだ。ただ、その力の方向だけが違うだけ。