ツィッター視聴率


前回ご紹介した「韓国大好き女子」は、当然テレビドラマも大好きです。

テレビのことを研究する卒研室なので当然と言えば当然です。そしてこの研究室には、さらに輪をかけてドラマが好きな女子がいます。好きなドラマシリーズは、はしからはしまで録画視聴しなければ気が済まないガチ・ドラマファン。これまで彼女が見倒したシリーズは「ごくせん」「やまとなでしこ」「メイちゃんの執事」など数知れず。

そして、その彼女が取り組んだ卒論のテーマは、
「Twitter 利用者の動向から見るドラマ視聴率への影響の研究」

ツィッター利用者のつぶやきを、ドラマ番組関連のハッシュタグを使って集めます。そして放映中に、当該ドラマ番組の視聴率動向を調べて、数値的な関連を調べて見たのです。ツィッターやフェースブックなどの、SNSが盛り上がっている今年だからこその研究です。なかなか面白い結果が出ました。

NHK「ゲゲゲの女房」のようなメガヒット番組では、番組が終了後でも、ツィッターの関連つぶやきは消えない。消えないどころか「村井布美枝 ボット(☆1)」まで現れて、そのブームは持続していくその反対に、ツィッターのつぶやきの連鎖が数日で消えてしまう番組は、視聴率も伸びない。当然といえば当然です。視聴者たちが自由に発言するSNSには、集合知がつくりだす真実のデータがストレートに表出するものですね。

テレビ制作者も当然これに目をつけている。番組放送中のツィートを分析することで、どの同上人物、役者に人気が集まっているかも知ることができる。ストーリーのどのへんに興味が集まっているかで、その後の展開を考える。少なくとも次回作にむけて、反省材料を集めることができる。使い用によっては、ツィッターは、視聴率調査よりもストレートな番組評価とすることが出来るのかもしれない。

逆に、ツィッターなどのSNSを使った番組宣伝が,とても重要になる。番組に出演する役者さんやスタッフは、毎日ブログを書き、ツィッターつぶやくことが、あたりまえになりつつある。NHKの「ゲゲゲの女房」では、放送中プロデューサーの谷口卓敬さんのブログへのアクセスが集中。なんと、このブログはいまも現在進行形で続いているんです。「メイちゃんの執事」の橋本芙美さんのブログ「フミちゃんの子羊」も、3年越しのロングテールで公開中。

激務のプロデューサーがブログを書き続けるのは大変なこと。役者さんやマネージャーだって、寝る時間も無い、収録スケジュールの合間では、ブログの書き込みだって一苦労。でも、自分たちの番組は自分で宣伝しなくちゃ。これからは、テレビ番組に限らず、あらゆるコンテンツは自分で宣伝する時代になるのだろうな。

ここまで書いて、かつてこんな記事を読んだことを思い出した。

「インディアナ大学(☆2)が、ツイッターを利用した株価予測に成功」

2008年の10ヶ月間において、Twitterのユーザー270万人を対象に彼らの980万回のつぶやき(tweets)を分析して、株価を予測した。その結果、ダウ平均株価(DJIA)のアップダウンを87.6%の精度で予測できたという。株価は投資家の気分で変動しやすい。リアルタイムの情報であるTwitterのつぶやきを分析すれば、投資家たちの気分が読み取れ、その日のダウ平均株価が予測できるという。(2010年の10月の某ITサイトの記事)

ほらほらほら、株価マーケットのような複雑なものでも予想可能。ということは、ドラマのハッシュタグを追いかければ、翌日発表になる視聴率も予測できるって?よし、研究の次の段階はこれだな。

しかし待てよ。
ドラマの視聴率を予測して、何の役にたつかな?


ツィッターからダウ平均株価を予測したシステムの解説

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☆1:村井布美枝 ボット NHK朝ドラ「ゲゲゲの女房」の
村井布美枝(松下奈緒)の台詞を、自動的にツイートする非公式bot
☆2:Bloomington's School of Informatics and Computing

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