フラミンゴとフェリー競争
お祭りやイベントというのは、世の中にいろいろなものがあります。
中には驚き呆れるようなものも沢山ありますね。
私がびっくりしたのは、オペラハウスで有名なシドニー湾で繰り広げられるフェリー競争。普段はれっきとした公共交通機関である、シドニー湾のフェリー船たちが、煙をはいてスピードレースをしていました。
1月26日のオーストラリア建国記念日での出し物です。その日は、夜はあちらこちらから花火が上がり、市中のパレードもあってとても賑やかな一日。洋上でのこのイベントは、そうしたおめでたい日のヒトコマに過ぎませんが、私としては忘れられない経験でした。
それに先だって開催された船の仮装コンテストでは、ゲイのみなさんを満載してたり、映画「ピンクフラミンゴ」みたいにド派手衣装のフェリーとか、へんてこりんなのを山ほど見ました。それでもうオーストラリアの方々のおふざけセンスには、充分に降参。でもやっぱし、フェリー競争には一番びっくりしました。
オーストラリアの人たちは、自分たちのことを「オージー」と呼び、どこか世界の田舎者っぽいところを楽しんでいる。世界で一番古い大陸に住む、一番後からやって来た人類。そんな風に自嘲的に言ったりする。
みなどこか楽天的で自由で、のびのびしている。どこか大雑把。細かいことで、あまり深刻ぶるようなことがなかったと思う。おっきな土地に住んでいると、人間が大きくて大まかな感じに出来上がるんでしょうか。公共交通機関のフェリーで、スピードレースやったって、なにが悪いの?と、こうなるも国民性からでしょうか。
「いいのかねー、こういうことやって?」などと訝しがるのは、日本からやってきた、マジメ人間の私だけだったかもしれません。日本の市営バスでレースやるなんて、やはり考えられません。
あのレース、実際に見たのはだいぶ前のことだったけど、今でもやっているのかな?あれは、シドニーオリンピック開催よりもずっと前のことだもんね。うわ、だいぶ古い話だった。
いまでも、こんな感じで、のびのびとおバカなことやってくれているかな。
こういうセンスでやってたら、世間のもめごとも減るかもしれないよね。
イラスト:シドニー湾のフェリー
いまもデザインはあまり変わってない感じ