007の仕事も変わりました

スコットランドのスカイフォール

「スカイフォール」を見るとスパイ仕事も隔世の感がありますね。この第23作でシリーズも50周年とか。Qが用意する武器類を見ても、指紋認証付きのワルサーPKK/S、サイバー戦争を戦う最新鋭のパソコン(☆1)、WiFiによる無線爆破装置など、007もITを駆使した闘いが出来なければ、現代のスパイ戦は闘えないようです。

ネット社会では「これからの世界ではコードを書けることが必須」と言われていていますが、まったくですね。次回作あたりでは囚われの身となったボンドは、脱出のためのコードを自ら書いているのかもしれない。これからスパイ活動はITによるインテリジェンスが最重要事項なのかも。私たち庶民の生活だってITを駆使しなければ世の流れにはついていけませんからね。

それに対して、悪者たちがやることの基本は変わっていませんね。2010年にパリで盗難にあった、モディリアニの「扇を持つ女」が、上海のアジトで競売にかけられていました。(☆2)ただし、そこで行われる殺人の舞台は、まるでプロジェクション・マッピングさながらにCGの光の洪水に彩られていました。


スコットランドのハイランド地方の奥にグレンコーという美しい峡谷があって、そこが007の故郷スカイフォールだった(☆3)というのも新しい驚き。幻想的なブルーに沈む山野と湖が魅力的な場所なので、近年の「コンテンツ・ツーリズム」的な発想でいうと、映画撮影地探訪の新しい目玉になりそうですね。行ってみたいなと思いました。

映画「スカイフォール」の終盤は、すべてが原点回帰となります。ジェームズ・ボンドは上司Mとともに、アストン・マーチンDB5に乗り込み、人間と自然の原点のような土地グレコーを目指します。そこで肉体と肉体がぶつかり合う闘いでこの物語に幕を下ろします。無線起爆装置でもなく、マシンガンでもなく、ただひとつのナイフという、古代からの道具を使って、宿敵シルヴァ(ハビエル・バルデム)を倒します。

ITという時流に押し流されながら、「いやいや、そうはいきませんよ」という007の心意気の現れだったのでしょうか。やはり最後は人間と人間の勝負ですよね。

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☆1:Qが使っていたのは、なんとVAIOでした!

☆2:第一作「ドクター・ノオ」で、実話で盗まれたゴヤの絵が出てきたことへのオマージュだとか。

☆3:グレンコーという土地は、実際には007シリーズ原作者のイアン・フレミングが住んでいた場所。「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」の撮影もここで行われたそうです。


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