手書きでよかった


あの「アラバマ物語」の続編が出版されることになったという。なんということか。新作ではなく、原作者のハーパー・リー(☆1)さんが、大昔に無くしていたと思っていた草稿が残っていたというのだから驚きだ。

「アラバマ物語」より先に書かれたものだそうだが、小説内の時間としては続編ということになるらしい。これは、まるでビートルズが「レット・イット・ビー」の前に、もう一枚アルバムを作っていたというのに等しいくらいの驚きではないだろうか。出版が実に楽しみ。またアティカスに会えるんだ。スカウトはどんな女性に成長しているのかしら。できれば映画化されてほしい。

55年ぶりに発見された原稿とのは、おそらくタイプライターか手書きだろう。だからこそ当時のままで残っていたのだ。もしこれが現代のようにワープロソフトのデータであれば、まるごと消えていたか、残っていたとしても再現することも出来なかったかもしれませんよね。

週末の朝日新聞に載っていたが、豊臣秀吉の手紙は数千と残っているそうだ。戦国時代の武将の中で、秀吉は突出した「筆まめ」だったようで、手紙によって部下を支配し人心掌握していたとか。

現代の経営者が部下に送っているメールも、将来誰かに読み返されるなどということがあるのだろうか。未来には何億通というメールのアーカイブが残る。たとえ残っていたとしても、こんなにも膨大にふくれあがったビッグデータの塊を、誰が掘りかえそうとするものだろうか。

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☆ハーパー・リーさんの写真も掲載されていて、まるで「アラバマ物語」のスカウトが、そのままおばあちゃんになったようだった。

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