Wドンキー両面作戦
左の方は、城田正孝(しろたまさたか)といいます。草食系男子。きれいずきで家事万能。児童相談所の仕事を天職と信じ、可哀想な家庭環境の子供の面倒を見ている。松田翔太さんが演じています。なぜか「ドンキ・ホーテ」の扮装。[☆1]
右、鯖島仁(さばしまじん)さんです。泣く子も黙る、鯖島組の組長。考えるよりも手が早い、古典的な武闘派。義理と人情で組をまとめ、一族の跡目争いのトップを走る。高橋克実さんが演じる。
このふたりが、天の意思による突然の超常現象によって入れ替わる。[☆2] 中身の入れ替わった二人が、それぞれ、慣れない「職場」で、新境地を発見していく。自分が「苦手」だと思っていた「職場」でも、意外にパワーを発揮してしまう。そこがこのドラマ「ドンキホーテ(NTV)」の面白さです。
城田(外見)が働く、児童相談所というところは、今本当に大変なところ。経済が悪化して、先行きに不安のない家庭なんてないでしょう。親だって余裕が無いから子供にあたる。虐待やネグレクトのような不幸な状況も起きやすい。それをフォローしていく仕事が大変でないはずがない。しかも、それは本質的に他人の家庭に干渉することだ。そこにこの仕事の難しさがある。
城田(中身)は、こうした家庭の「修羅場」に降り立った天使のようだった。その優しさと子供への愛情を持って、問題解決のために奔走している。その城田の中身が突然、ヤクザの組長、鯖島に入れ替わってしまう。これで、話はもうむちゃくちゃになるはず。
ところが、そうでもない。他人の家庭にズカズカと乗り込んで、引きこもりの子供部屋を占拠。家族全員を強制退去。グダグダ言い訳をする、わからずやの親を一喝(一発?)テキ屋稼業を活かした、お好み焼き作り。ヤクザの専門性を活かした、鯖島の破天荒な行動が、意外にも好結果を生んで行く。
一方、次期総長の跡目を争う鯖島の日常は、日々これ闘争だった。[☆3] 鯖島の中身が、草食系男子の城田に入れ替わっては、跡目争いは絶望的。ところが、これもそうでもない。城田(中身)の優しさと気遣いは、極道の世界の鯵沢組においても、の結束をいや増す力を発揮する。いつかライバルの鰺沢や親分の心まで変えて行き...
もともとの設定からいって、だいたいこうなるのかな〜、と思った通りにドラマは進む。だからといって出来すぎた予定調和でもなく、ものすごく面白かった!
そういえば、こういう設定のドラマや、映画、他にも沢山ありますよね。(つづく)
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☆1:城田(外見)は、このCGではドンキ・ホーテの格好してます。第9回放送の劇中劇で、子供と一緒に「ドン・キホーテ」を演じるんです。自分だけ、中世の甲冑をそろえて完璧な扮装でした。鯖島(中身)さんはお金持ちですからね。
☆2:ドラマに出てくる、あのSFXの雲かっこ良かったですねー。仕事柄、アフターでやるとどうやって作るんだろう?なんて考えてます。誰か教えてください。ところで、いつも思うんですけど、人間が入れ替わる設定のドラマって沢山ありますね。これって、中身が入れ替わったのか、それとも外見が入れ替わったのか。どちらかよく分からない。まあ、この際どっちでもいいか。
☆3:このドラマの「闘争」って可愛いんですよ。跡目争いの決定は「カルタ取り」決戦だったりして。奥さん(内田有紀)と踊るサルサもお茶目。鯖島が大好きなマンガは「新宿鯖(しんじゅくさば)」。芸能界でいろいろあったので、ドラマ制作担当者も気をつかったんですね、きっと。ソフトに描かれていました。
ところで、このブログの内容で重大な間違いが発覚! こともあろうに、鯖島(さばしま)さんと、ライバルの鯵沢(あじさわ)さんの名前を取り違え。それにも関わらず、あたたかい心で読んでくださったみなさま、有難うございました。orz