水がたまらないダム

日本の農業ダムの実態についての記事。

大分県との県境、熊本県・産山(うぶやま)村に建設中の「大蘇ダム」。(事業費593億円)火山灰質の土壌を甘く見た結果,水がしみ出て溜まらない珍しい「水漏れダム」となった。いまや30年の建設工程が無駄になろうとしている。(2009年7月6日 日経新聞朝刊より抜粋)

北海道富良野市には東郷ダム。本来430万トンの貯水量があるはずだが、ダム底には冬も夏も水は一滴もたまらないそうだ。国と道が379億円を投じて93年に本体工事を終えたが、間もなく水漏れが判明。ダム底の地質が火山灰性のため水を通しやすいとの説もあるが、漏水の根本的な原因はいまだ不明という。(2009年12月28日  読売新聞より抜粋)

なるほどそういうことか。ダムというものは、川下の谷を堰き止めさえすれば、いずれ水が自然に貯まるものと思っていた。しかしダムの底にあたる、谷底の土壌によっては、水は漏れていくのだ。むしろどんな土地であろうと、水というものは土壌にしみこんでいくものであろうから、どんなダムだって少しは水を失っていると考える方が自然なのだろう。

人間社会は21世紀に到達して、いよいよ科学技術による高度な文明を享受している。しかし、この水の漏れるダムの例のように「先端科学技術」の実力にも、ちょっと不安な部分があるということが分かる。

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