シルヴァー・クリーク残照
テレビや映画が作り出した人物キャラクターに思い入れる。そういうことありますよね。この人いい人だなとか、この人自分に似ているなとか、自分を投影してすっかり好きになってしまう。
僕のお気に入りキャラ。まずは「ミッド・ナイト・ラン」のジャック・ウォルシュ。それから「プルーフ・オブ・ライフ」のテリー・ソーン。どちらも男一匹で、誰にも理解されなくとも意地だけで目的を達成するキャラクター。泣けますホント。彼らには長生きして活躍して欲しい、とそう思う。
NHK大河ドラマ「太閤記」でも同じようなことが起きた。大人気だった俳優、高橋幸治の織田信長が本能寺の変で亡くなる。本能寺の変は歴史的事実なのに、信長は生きていると抗議の嵐。演出をされた吉田直哉先生が、この時のことを「ほんとうに恐ろしかった」と、自著の中で述懐されています。今で言うところの「炎上」ですね。
スティーブン・キング原作の「ミザリー」。怖い映画でした。小説の中で主人公「ミザリー」を死ぬ設定にしてしまっただけなのに、狂信的なファン女性に監禁されて脅されて、ストーリーの書き直しを強要される作家の話。狂信的ファンをキャシー・ベイツが演じていました。この人、凄く怖かったです。
この時のキャシー・ベイツの髪型は、のちに「ノー・カントリー」でシュガーの髪型の参考にされたのではないだろうか。よく似てるのでそう思います。余談ですが、日本での舞台化では渡辺えり子さんが、このキャラを演じていたそうです。本当に怖そうだ。
人の思い入れというものはすごいもの。実際のところは存在すらしない架空のキャラクターですらこれだけの思い入れ。これこそ人間の煩悩。ともに生きる他人への執着。人の心というものは、この宇宙に濃厚な響きを残すのだろう。
除夜の鐘聴きつ忘我の映画かな
除夜の鐘聴きつ忘我の映画かな
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イラストは映画「ミザリー」の舞台となった
コロラド州 シルヴァー・クリークの風景です