生存競争

今日の日曜日、ニューヨークでは泥酔したサラリーマンで溢れているのではないでしょうか。先週末にとんでもない損害を出した人。今週の市場のことを考えて死ぬほど不安な人。トレーダーの仕事とは、精神的にかなりしんどいものだと聞いたことがあります。今週一週間、自分は生き延びることができるのか?

一旦商機を得れば、一夜にして大金持ちになる。成功報酬の率がバカ高いので、自分の取引で巨額の収益を得れば、その一部はそのまま高額ボーナスとして自分のものに。何億円というとんでもない額になることがあるそうです。でも一方で、大損害を与えた場合は... ひたすら損害を隠し続けるか、こっそり会社の損害のどこかにすり替えるか、しっかりけじめをつけて退職するか。大損害を抱えたトレーダーは、いろいろと悩み苦しむことになるのです。大変な仕事ですね。( モラルハザード >>> )

先の読めないリスクだらけの市場で、トレーダーはどうやって生き延びたらよいのか?ほんの少しの情報の断片にすがりつき、複雑怪奇な市場の動きを予想するために、複雑怪奇な方程式でリスク計算をし、結局はそうした中で、自分自身の感性に相談しながら一瞬の賭けに出る。間違えが連鎖的に続いたらたら、すべては終わり。1997年にニューヨーク株式市場の大暴落で、ビクタ ー・ニーダーホッファーさんという1人のアメリカ人投機家 が、たった一日で50億円を失い破産に追い込まれました。そして彼について、他人事のようにでクールなコメントをしていた、マイロン・ショールズ博士さえも、その翌年には空前の損失を出して、LTCMというファンドをたたんでしまいました。

1998年11月に放送された、NHKスペシャル「マネー革命」という番組は、金融市場というものの凄まじさを見事に描き、このあたりの消息を詳しく伝えています。「マネー革命」では、一方で、しぶとく生き残り続ける天才トレーダーの話も出てきます。シカゴの先物商品取引所(CBOT)でもっとも有名なトレーダー、トム・ボールドウィンです。番組スタッフのインタビューに、ボールドウィンは、その「生き延びる」ための極意をいろいろと答えています。

トレーダーとは非常に孤独な仕事であると、ボールドウィンは言います。たったひとりの人間として、周囲の動きを観察して、他人とは違う独自のアイデアを導き出すこと。他人とは同じ事をしない。昨日うまくいったことと同じ事はしない。ほんの少しの変化の兆候を見逃さない。周囲の人間たちのちょっとした心理変化を読み、市場に立ちこめる空気の微少な変化を感じ取る。状況に応じて判断を変え、決断をしたら俊敏に行動する。

これを聞くと、現代の金融市場におけるトレーダーにとっても、生き延びるための能力とは、動物的な野生、人間本来の身体的感性なのではないでしょうか。戦場において、修羅場となった状況をくぐり抜ける、兵士と同じなのではないでしとょうか。コンピュータの画面ににらめっこしているのではなく、市場という嵐に立ち向かう獣として。

( Photo : wikimedia by Franz Golhen )

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