インコのケンカ

うちで同居している二羽のボタンインコ。この二羽は、なかなか親密な関係にはならないが、時に機嫌がよい時には、軽やかに鳴き合って睦まじくしている。そうかと思えば、金切り声を上げてとっくみあいもする。二羽の間の感情の変化は鳴き声を聞いていればわかる。つまり、私には、この二羽の間の会話の様空気が読める。

私が帰宅し、玄関の鍵をガチャリと開けたときの「おかえりー!」という元気な呼び声。朝起き出したときの「おお、一日はじまるなー」というときのペチャペチャ言うおしゃべり。そして午後のご機嫌な時間には、このペチャペチャしゃべりが最高潮になって、まるで電車の中のおばさん集団のよう。二羽がばらばらに行動しているときは、時々「ぴっ」「ぴぴっ」と短く呼び合って何かを確認している。

動物は言葉を持たない。少なくとも人間社会における言語のように、はっきりと文法構造を持っていたり、ものに名前をつけたり、紙に書いて記録としたりする言語は持たない。概念の表象といった機能や、意味伝達のための構造を持った、そういう言語は持たないということだろうか。しかし私は、自分の家で同居中の、この二羽のボタンインコを見ているだけでも(いや、聞いているだけでも)そうは思えなくなってくる。

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