バーン・アフター・リーディング

離婚訴訟を扱う法律事務所で働く「コニー」というおばさん。彼女が通う"HARDBODIES"というスポーツジムのロッカールームでうっかり忘れたCDディスク。このCDには、依頼人の夫が書きかけていた「暴露もの自伝」のデータが含まれていた。このCDが拾われたことが原因で、関係者のうち三人が人生の破滅に追い込まれる。

いつものように、コーエン兄弟の脚色が冴える本作。偶然と必然の網にかかった「関係者」が、運命の糸を引っ張り合いもつれあい、はては拳銃や手斧を振り回して大乱闘。そんな姿に引き込まれているうちに、あっという間に悲劇の終幕へと大疾走。最後は神の視点のような俯瞰ショット。地上遙か天上からの視点で、この映画は観客に語りかける。「あなたも気をつけて。あなたの人生は大丈夫?」

この映画に登場するのは、以下の四人の壊れたキャラクター。コーエン兄弟は、この四人のキャラクターは、それぞれ別々脚本のために考えられたと言っている。しかもこの四人は、もともと別々のストーリーのための役を組み合わせて作られたキャラクターだという。このように、まったく脈絡のない取り合わせが、結合することによって、観客にも(おそらく原作者本人にも)分からない、予想不能なストーリー展開が可能になるのかもしれない。

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