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5月 9, 2010の投稿を表示しています

ヤノマミ族のこと

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NHK映像取材部の菅井禎亮チーフ・カメラマンが、東京工科大学の講座「メディア特別講義Ⅰ」に、ゲスト講師として来校されました!

あの話題騒然のNHKスペシャル「ヤノマミ」を撮影したカメラマンに実際にお会いできたのは、本当に幸せでした。私が想像していた野生児のイメージとは違い、もの静かな語り口の紳士なので、少しびっくりしました。学生達も、菅井さんの講義にすっかり感じ入った様子でした。

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「ヤノマミ」の子供たち。「ヤノマミ」とは、彼らのことばで「人間」のこと。彼らを150日間取材したNHKのカメラマンたちは、彼らから「ナプ」とよばれたそうです。「ナプ」とは「人間以下のもの」ということだそうです。面白いですね。

「ヤノマミ」の人たちの価値観から言うと、森の精霊との生活を忘れてしまい、不気味な一つ目のビデオカメラをぶらさげ、干涸らびたオートミールなんぞ、もぞもぞ食べている、そんな人間というのは、レベルが低いといういうこと。

NHKスペシャル「ヤノマミ ~ 奥アマゾン 原初の森に生きる ~」は、NHK取材班が、10年越しの交渉を経て、ついに現地人との共同生活をゆるされて、決死の撮影を行ったものだ。この番組冒頭での映像も衝撃的。実は目の前で撮影をしている、NHKのカメラマン、菅井禎亮さんのことを「殺そうか〜」と言っているのだ。

( Photo : Etnia Yanomami del Estado Amazonas, Venezuela en el alto orinoco. )

水木しげるさんも、太平洋戦争中にラバウル(パプアニューギニア)で出会った現地人の、神聖なる生活ぶりについて書いています。以下は「水木サンの迷言366日(幻冬舎)」2月1日の項より。

「私は、軍隊でも特にいじめられたり、罰を受けてたりしていたので、そういう社会の仕組みに反発を感じていた。ところが、"土人"たちは、ゆったりと楽しそうに暮らしている。
それを見た軍曹などは『馬鹿だから、ああいうふうにしているんだ』と言う。
しかし、賢いはずの日本人は、意味のない戦争という馬鹿馬鹿しい生活環境の中で一生懸命になっている。どう考えても、彼らの方がずっと幸せで、考え方もよい。」

私も考えてしまう。現代人は、株だお金だと狂奔しているけど、これでいいのかなぁ。今も…

生存競争

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今日の日曜日、ニューヨークでは泥酔したサラリーマンで溢れているのではないでしょうか。先週末にとんでもない損害を出した人。今週の市場のことを考えて死ぬほど不安な人。トレーダーの仕事とは、精神的にかなりしんどいものだと聞いたことがあります。今週一週間、自分は生き延びることができるのか?

一旦商機を得れば、一夜にして大金持ちになる。成功報酬の率がバカ高いので、自分の取引で巨額の収益を得れば、その一部はそのまま高額ボーナスとして自分のものに。何億円というとんでもない額になることがあるそうです。でも一方で、大損害を与えた場合は... ひたすら損害を隠し続けるか、こっそり会社の損害のどこかにすり替えるか、しっかりけじめをつけて退職するか。大損害を抱えたトレーダーは、いろいろと悩み苦しむことになるのです。大変な仕事ですね。( モラルハザード >>> )

先の読めないリスクだらけの市場で、トレーダーはどうやって生き延びたらよいのか?ほんの少しの情報の断片にすがりつき、複雑怪奇な市場の動きを予想するために、複雑怪奇な方程式でリスク計算をし、結局はそうした中で、自分自身の感性に相談しながら一瞬の賭けに出る。間違えが連鎖的に続いたらたら、すべては終わり。1997年にニューヨーク株式市場の大暴落で、ビクタ ー・ニーダーホッファーさんという1人のアメリカ人投機家 が、たった一日で50億円を失い破産に追い込まれました。そして彼について、他人事のようにでクールなコメントをしていた、マイロン・ショールズ博士さえも、その翌年には空前の損失を出して、LTCMというファンドをたたんでしまいました。

1998年11月に放送された、NHKスペシャル「マネー革命」という番組は、金融市場というものの凄まじさを見事に描き、このあたりの消息を詳しく伝えています。「マネー革命」では、一方で、しぶとく生き残り続ける天才トレーダーの話も出てきます。シカゴの先物商品取引所(CBOT)でもっとも有名なトレーダー、トム・ボールドウィンです。番組スタッフのインタビューに、ボールドウィンは、その「生き延びる」ための極意をいろいろと答えています。

トレーダーとは非常に孤独な仕事であると、ボールドウィンは言います。たったひとりの人間として、周囲の動きを観察して、他人とは違う独自のアイデアを導き出すこと。他人とは同じ…

アルゴリズム取引

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「アルゴリズム行進」は誰もが大好き。NHKの人気番組「ピタゴラスィッチ」[*1]のメニューの中では「ピタゴラ装置」と人気を二分する大人気コンテンツですね。
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[ アルゴリズム行進(歌詞 抜粋) ]

一歩進んで前ならえ
一歩進んで偉い人
ひっくりかえってぺこりんこ
横に歩いてきょろきょろ
ちょっとここらで平泳ぎ
ちょっとしゃがんで栗拾い
空気入れます しゅー しゅー
空気が入って ぴゅー ぴゅー
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ところで、この「アルゴリズム」というもの、今回の金融パニックで取りざたされています。「アルゴリズム取引」と言われる、コンピュータによる自動取引システムが、あまりにもすばやく、あまりにも過剰に繰り返し反応したために、株式の急激な下落を引き起こしたと言われているのです。一瞬の判断が命取りになる、金融トレーダーの世界。人間の判断では、瞬間的な局面に追いつけずにミスを犯してしまうため、コンピューターが常に、異常な値動きなどがないか、見張っているのだそうです。

今回の株式下落では、どうもそれがうまくいかなかったみたいです。「アルゴリズム」の立場から言えば「言われたとおりにやっただけ」ということ。でも、人間ならば「なんかやばいぞ」ととっさに取引から身を引くところが、アルゴリズムには分からない。「売り局面で売る」のは当然なのですから、世界中の「アルゴリズム取引」は、売りに売りまくったようです。その結果、ニューヨーク証券取引場での、20分間で1000ドル近い下げが起きたのではないかと言われています。人間が「おいおいおい」なんて、びびっている間にも、どんどん取引を進めていってしまう。

前述のアルゴリズム体操も、子供ではなく、大人がそろってやっているところが面白いんです。「一歩進んで前ならえ」なんて言っているうちに、目の前に落とし穴があっても、全員そろって突進していってしまいそう。そういう「危ないロボット集団」みたいな動きが、とても面白いのだと思います。

「アルゴリズム」は最初に人間が決めたとおりにしか動かない。当然です。世界で最も有名なコンピュータ、映画「2001年宇宙の旅」のHAL 9000。世界最高のコンピュータのはずなのに、人間の言ういい加減で矛盾した指示が理解できずに、結局狂ってしまいました。宇宙船の乗組員を皆殺しにしよう…