円偏光
上の素晴らしいアニメーションを見て下さい。分かりやすいです。この図は「右巻き(反時計回り)」の「円偏光」の状態を表しています。たしかに野球のボールの「カーブ」に似ているかも。光というのは電磁波の一種。これは電磁場の振動が伝播に伴って円を描いて、進んでいるようすなのです。そして「円偏光」には、右巻きと左巻きの二種あるのです。野球のボールに、カーブとシュートがあるのと同じですね。
ところでこの右巻きと左巻きですが、人間の眼にはその違いを見分けることが出来ない。3D映画の「Real D」は、このことを利用しています。スクリーンには、二台のプロジェクターから右巻きの光と、左巻きの光とで、二重の映像を投影。そうしておいて、観客は特殊なメガネをかけて、右眼では右巻きの光だけ、左眼には左巻きの光だけを見るのです。(もしかしたら逆かな? でも要するに撮影時の右目用のカメラの映像が、右目に届きさえすればいいんです。)
「Real D」方式用のメガネのは利点は、製造するのが簡単なこと。フィルター面に「円偏光パターン」を印刷するだけでいいので、生産コストも低い。ひとつあたり2百円以下。一方、もっと複雑な分光を行う「Dolby 3D」方式のメガネは、一個作るのに数千円もするそうです。だから映画館でも再利用されるのです。同じ理由でメガネが安いのは「IMAX 3Dデジタル」方式。しかしこの方式には、観客が頭を傾けてしまうと、二重像が見えてしまうという問題があります。私なんか、傾けるどころか寝ころんでヨコになるもんね。そうなると、二重像どころか、右目と左目の映像が逆転!
こうしてみる限りでは、「Real D」は優れた技術のようです。さすがは最古参の技術。ソニーなども、この方式での3Dテレビの開発を計画中。しかし、なかなかどうしてそう簡単には結論は出ません。3D映画の上映方式には、このほかにも「スクリーン明るさ」「メガネの重さ」など、いろいろと判定要素があるので...
( animation by : wikimedia commons "Dave3457" )
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