つないだら大変

たまたま早く目が覚めた5月7日の4時、NHKニュースは、ニューヨーク証券取引所での株式の大幅下落をトップで伝えていました。「一時は999ドルもの下げ幅を記録」というアナウンサーの言葉がシュールすぎて、まだ夢を見ているのかと思ったくらい。案の定翌日の8日には、この騒ぎは「リーマンショックを上回る連鎖株安」となって、世界規模の金融市場を揺るがしています。

ギリシャの財政破綻に対して、EUがユーロ圏防御の基金設立を決めたとたんにこの騒ぎです。欧州当局が対策を打ち出すごとに、ユーロが売り込まれるというのは皮肉です。ギリシャが危ないという噂が危機感をあおり、ヨーロッパ連合が一週遅れのギリシャ支援の対策を取る。そこでまた、ギリシャの新たな財政問題が露呈する。そしてまたユーロが崩れる。という完全な悪循環になっていて、そこをヘッジファンドがねらい済ましたように売りを掛けるのですね。

まだ真相はわかりませんが、4日に米証券取引委員会は、ゴールドマン・サックスが株券を手当てしないまま投資家の空売り注文(裸売り)をしていたと指摘しました。また今回の騒ぎでも、NHKが報じているように、シティグループのトレーダーが、一部銘柄で「ミリオン(100万)」単位で注文を出すところを「ビリオン(10億)」単位で出してしまったとか言う噂もあります。ファンドが一斉に売りを掛けている状況が、こうしたトレーダーの焦りまくった行為に出ているような気がします。

小学校でやった実験を覚えていますか。2つのビーカーにそれぞれ違う高さまで水を入れておく。はじめはバラバラだった水位ですが、底をチューブでつなぐと... みんな同じになっちゃうんですよね。えっ?あたりまえ。そうどちらも同じ大気圧にさらされているんだから。でも、チューブを指でつまんでおけば、水位は違ったまま。チューブが通じたから水位に変化が生じる。

金融経済は本当に不思議ですね。このビーカーの水にたとえると、金融の世界では、この水がいったりきたりするたびに誰かが儲けたり損をするのです。たかが同じ水なんだけど、水位が上がって儲かる人もいれば、下がって儲かるひともいるんですね。みんなどっちかに掛けているのですから。ビーカーの水のように、はじめから水の動きが分かっていれば話は簡単なのですが、ふつうは先が予想できない複雑怪奇な取り決めで、大金を掛けた勝負をやっているのが国際金融です。

ギリシャの財政不安というものは、いわば最初は一個のビーカーの水が少ないというだけのローカルな問題だったのだと思います。ところがEUによる通貨統合で、ユーロ圏に取り込まれることで、ギリシャというビーカーの底は、EU各国のビーカーの底につながっちゃった!さあ大変。

( photo : wikimedia commons by David Shankbone

ギリシャはさすがです >>>

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