なぜ世界を目指さないのか

Mr.Woof Woof learning Oversea

ちかごろの学生さんたちからは、「海外に出て仕事がしたい」という話をなかなか聞かない。「海外へのあこがれている」という程度のことですらあまり聞かない。ましてや、「いつか海外で役立てようと英語だけは勉強してます」なんていう子にもなかなか出会わない。寂しい。

彼らにとって「海外」というものは「格安ツアーで、いつでも遊びに行けるところ」であって、「夢」や「あこがれ」という言葉を使う対象ではなくなったのか。

テレビをつければCNNのニュース。PCを開けば海外の有名人のゴシップも読める。洋楽なんかいくらでもダウンロード可能。海外ドラマだってすぐ録画。だけどね。ちょっと待ってね。言っておくけどね、こうして君がモニターを通して見ているものが「世界」だなんて、それはとんでもない話だと思うよ。

イラストは台北の国際空港のアート・オブジェです。タイトルは「Woof Woof Boy」(☆1)というのですが、その説明プレートによると、彼は、台湾から海外に出て勉強している学生らしい。夏休みに台湾に戻ってくると、こうして懐かしいフルーツを一杯食べたくなるんだって。顔がギラギラしてるでしょ。世界に出よう!という気概がある。

実際に、台湾の学生と会ってみると、日本人の学生にはない「覇気」というものをとても感じる。「世界に出る!」という情熱があたりまえで、当然英語も勉強している。みなとても大人の顔つきをしている。いました、いました。やるきがあって。世界を目指す学生が、ここ台湾に!

今夜のNHKで、八木沼純子さんが出演する「フォミリー・ヒストリー」を見た。彼女のお祖母さんは、世界史のただ中で活躍した外交官の妻。そのご主人を、病気で亡くした後も、女手ひとつで育てた子どもたちに海外で勉強させる機会を与えた。お金もない中で大きな借金をして。子どもたちにとって、日本を離れ世界を見る事の大事さを知っておられたから。

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☆1:
タイトル  Woof Woof Boy
作者 Hung Yi 
制作年:2011
設置場所: Taiwann Taoyuan International Airport

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