僕とアルフォンゾ先生


僕とアルフォンゾ先生

アルフォンゾ先生は、インドネシアのバンドン工科大学で美術やデザインを教えている。JICAの招きでこのたび来日。日本の大学を見学しにいらしたのだ。近藤先生の案内で、私の研究室にも遊びにきてくださった。私も美術デザイン担当なので、いろいろ楽しくお話させていただいた。

特に盛り上がったのが、いまどきの学生の作品についての話だ。デジタルツールの発達のおかげで、学生が「手抜き」をするようになってしまった。これは由々しき事だ。と、そういう話。オリンピックの騒動じゃないけれども、ひとのものをそのままコピーしたり、既存のテンプレート(☆1)を使って簡単に済まそうとしたり。

どんなツールを使っても、学生が作品に真剣に取り組むならそれでいい。しかしツールによって仕事が簡単になると、人間というものは「怠け者」になる。デジタルペイントは、もともとは「絵の具」の代用品ではないか。さんざん「絵の具」と格闘した人がこれを使うぶんにはいいのだ。しかし、デザインを勉強中の学生がいきなりこれを使い始めると、どこかいい加減になってどこか真剣味に欠けた作品づくりになる。

「まずいっすよねー」
「ほんと、まずいっす」

インドネシアの先生と、こんな会話をするとは。

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☆1:テンプレート
すでに出来上がっているフォーマットに、きまった数値や文字、画像などをいれるだけで作品ができてしまうという便利な仕組み。学生だけじゃなくて、オトナだって結構使ってますからね、これ。



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