もとには戻れない未来がやってきた

テニスに続いて、昨日も寝不足の方が多かったようです。けさほどのアップル社新製品発表会。[ iWatch ]の姿が明らかになりました。正しくは [ AppleWatch ] というのだそうです。


あくまでアップル信者向けの高級商品にすぎないという人もいるようで、ヒット商品になるかどうかはわからない。それに、老眼の人にはどうもね。

それでも、やはり「時代を変えてしまうもの」であることは間違いないでしょう。大げさに言うと、今日という日に「時計」というジャンルのボーダーラインが変わってしまった。もう私たちは「AppleWatch」以前には戻れない。

携帯電話の世界が「マルチタッチできる携帯電話」と「マルチタッチできない携帯電話」に分けられたように、これからの時計は「モニタスクリーンとセンサーを持つ時計」と「そうでない時計」とに分けられてしまった。

実は、私自身はアナログ時計のファンなのです。いまも、自動巻の古いやつを愛用していて、スケルトンになっている裏蓋から、揺れる振り子や歯車を眺めるのが大好きです。時計といえば、やはり大航海時代にうまれた「クロノグラフ」のように、小さくて精巧な機械が、一生懸命時を刻んでいる感じが好きです。

30年も前の昔、時計メーカーのデザイン部でアルバイトしていた時のことを思い出します。僕たちは、商品見本用の模型を作っていたのです。時計の文字盤に、数字や線を細い筆を使って描き込んでいた。もちろん手で描いていました。

そこのデザイナーの方は、ドラフターに貼り付けた大きな図面に、原寸の10倍くらいの紙を貼り付けて、意気揚々と時計盤面の図面を、手描きで描いていました。そのころはまだ、すべて手をつかっての作業でした。時計の文字盤のように精巧なものを手で描いていたなんて、今では信じられない。

その後、僕たちはどんどん時代の向こうへと、吹き飛ばされつづけています。CADが生まれ、ADOBEが登場し、そしてiOSがやってきた。工業製品の根本がひっくりかえり、モノ作りのありかたも変わってしまった。

そしてまたひとつ、もとには戻れない未来がやってきてしまった。

[ AppleWatch ]

これから、さまざまな分野で役立つ日がくることかと思います。医療現場に革命をもたらし、災害時の人命救助の方法を変えるかもしれない。なによりも人間同士のコミュニケーションを変えるかも。知らない人どうし、紛争地の隣人どうしが、どちらもAppleWatchをつけていたら、仲良しになれそう。

いずれにせよ、僕たちがどれだけのアプリケーションを考え出せるかにかかっていますね。ちょっと頑張ってみたい気持ちになりました。


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